イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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73: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2018/02/13(火) 01:59:32.89 ID:FWz1EF2O0
…そのころ・提督の実家…

チェザーレ「うむ、了解…大佐どの、改めてカンピオーニからもお礼を贈らせていただきます……それでは」受話器を置くと肩を回した…

ライモン「…チェザーレさん、まだ提督の行方について手がかりはなしですか?」

チェザーレ「うむ…提督の手帳にあった名前からラ・スペツィア、ナポリ、サルデーニャ島のカリアリ…シチリア島のアウグスタとメッシーナ…イオニア海管区のレッジョ・ディ・カラーブリア、タラント……もしかしたらアドリア海方面に誘拐されたかもしれぬからブリンディシとヴェネツィアにも電話はかけた……後はパレルモ航空隊のアントネッリ中佐は提督の「親しいお友達」なのでな、色々調べてくれたぞ」

ライモン「なのにかいもく見当がつかないなんて…いったいどこにさらわれてしまったのか……うぅ、きっと今頃深海棲艦に取り囲まれてあれこれと厳しい尋問を受けているに違いありません…」

チェザーレ「まぁ落ち着け、ライモンド…提督はなかなか頭の回転が速い。きっと脱走の機会をうかがうか、さもなければここに返してくれるように深海の連中に掛け合っているはずだ……それにあの提督に限って愛しい女性を悲しませるような事をする訳があるまい。違うか?」

ライモン「…そ、それはそうですが///」

チェザーレ「そうであろう?……それにさっきムツィオが手伝っていたからな、そろそろあのナポリ鎮守府のカント水偵が離水できるはずだ…行ってその目で捜索してくるといい」

ライモン「はい。それでは留守をお願いします」

チェザーレ「任せておけ。…必要ならこのチェザーレが賄賂だろうが何だろうが用意してみせるから、後ろにローマ軍団が付いているつもりでいればいい」ポンと肩を叩き、口元に笑みを浮かべて見せた…

クラウディア「…必要なものがあったら何でも言ってね?」

シルヴィア「もし銃がいるようならいくらでも出してあげるから、そう言いなさい…あと、これ」装填済みのベレッタ・M1938短機関銃を渡した…

ライモン「これは?」

シルヴィア「お守り代わりに一応……「ウサギの脚」よりは効果があるでしょうし」

ライモン「ありがとうございます…それでは、しばらく上空から探してみます」

アッテンドーロ「姉さん、水偵の準備が出来たって」

ライモン「分かったわ…それでは、上空から捜索してみます」…ライモンは短機関銃を肩にかけると岸辺に着水している三発エンジンのフロート機、カントZ506「アイローネ」(※Airone…アオサギ)の後部席に乗り込み、しばらくするとカント水偵は浜辺に砂と波を巻き上げて離水していった……

チェザーレ「…提督、もし戻ってこなかったらライモンドに代わってチェザーレが怒るぞ……?」

………

…一方・深海棲艦の洞窟…

G級「…んむ……んむっ…まぁ美味しいんじゃないの?」提督にパスタを分けてもらうと勢いよく食べ、口の端にトマトの汚れまで付けていながら辛口の評価を下す…

ケント級重巡「ふむ、なかなか美味い…」一方の重巡「ケント」級はさすがの貫録で、無表情ながら一応感心したような声を上げた…そのうちにいい匂いに誘われたのか、次々と厨房に姿を見せる大小の深海棲艦たち……

提督「ふぅ…まさかせっかくの夏季休暇を深海棲艦の司厨長として過ごすになるとは思ってもみなかったわ……」次々と顔を出してくる深海棲艦たちに汗だくで「スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ」をごちそうする羽目になっている提督…

クィーン「…何事ですか」

C級軽巡「…陛下、このような場所にまでお越しになるとは……お気遣い、痛み入ります」

クィーン「余はあらゆるものに目を通さなければなりませんから。で、何をしているのですか…アドミラル?」

提督「えぇ…と、料理を作っておりました……良かったらいかがですか、クィーン♪」

レナウン(巡洋戦艦)「陛下に対してそのような口を利くなんて失礼よ…?」

クィーン「よいのです、レナウン…イタリア人の捕虜なのですから、礼儀を知らずとも致し方ないでしょう……?」さりげなく失礼なことを言うクィーン…

提督「む……クィーン、これは『娼婦のスパゲッティ』などと申す一品で、はなはだお口汚しかと思いますが…よろしければお召し上がりになられますか?」

クィーン「…そうですね、それでは味見程度に頂戴いたしましょう……」さっと用意された椅子に軽く腰掛け、ほんの少しだけパスタを巻きとって口に運んだ…

提督「…」

クィーン「……なかなか美味しいではありませんか」

提督「感謝します、クィーン」

クィーン「いいえ…ところでアドミラル」

提督「はい」

クィーン「あとで話がありますから、余の部屋へお越しいただければと思います……それでは…」しゃなりしゃなりと優雅な歩みで出ていくクィーン…

提督「…分かりました」(…まさか「『娼婦のスパゲッティ』なんて言うものを食べさせて、無礼だから処刑する」とかじゃないわよね……)




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