311:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/01/16(火) 21:53:59.91 ID:IimHVUgT0
ズゴゴゴゴ…
アルストの魔力スキルが封じられた途端に部屋の空間が大きく揺らぎ、大きな振動が部屋を襲う。
部屋を構築するスペースを確保するために魔力で拡張されていた空間が、一気にもとに戻ろうとしているのだ。
「おぉっと、ぐずぐずしてたら部屋ごと圧縮されるかもだわ!早いとこずらかるわよ!」
「ずらかるのはいいですが、そこな魔女はどうするんですか?」
崩壊していく部屋のなか、うなだれながらも何事かブツブツ呟いているアルストを指してギンガが問う。
「う、う〜ん…助けてあげる義理はまったくないんだけど…」
(とはいえ見捨てるのもちょっと寝ざめが悪いかな)
しばし逡巡するミルキィだったが、しかし次の瞬間。
「―ミルキィさん!!そこを離れて!『床から何かがきます』!!!」
「えっ!?」
突然のクチナの叫びに反応し、反射的にその場を飛びのくミルキィ。
ばきばきばきめきめきめき!
ちょうどミルキィが立っていたところの床板がめくりあがり、その亀裂からロープのようなものが飛び出してくる!
床下から飛び出してきたそれは…
「ひゃあぁぁぁっ!!??しょ、触手う!!??」
ミルキィの大の苦手とする、ぐにゃぐにゃとうねりうごめく不気味な触手であった。
「ひゃーっ!いやーっ!」
「ちょ、ちょっとミルキィさんおちついて!」
「なんだこの触手は…いったいどこに潜んでいた?」
ギンガの疑問の答えは研究室の地下にあった。
―アルストの研究室の地下には研究や実験に使用するための様々な魔法薬や機材が保管されているが、それだけではない。
これまでにアルストが実験用モルモット兼素材として培養してきた様々な異形の植物や触手。
それらは地下保管庫の一角に封印されていたのだが、彼女の敗北により魔力が断たれ外界に解き放たれてしまったのだ。
バキバキと音を立てて研究室の床や壁に亀裂が走り、その亀裂から夥しい数の触手や植物のツタのようなものが次々と飛び出してくる。
それらは瞬く間に繁茂し、研究室を覆いつくしていく。
封印から飛び出した触手や植物が保管されていた様々な薬瓶をたたき割り、内容物をことごとく吸収したせいで何らかの形態変化をおこしたのかもしれなかった。
混乱のさなか、ギンガは大嫌いな触手に囲まれてパニックになるミルキィの首根っこを掴むと、クチナとともに崩壊していく研究室を飛び出していく。
取り残されたアルストを救う余裕はとてもなかった。
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