666:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/02/20(火) 18:37:27.78 ID:lEDc+kot0
「よっし!大勝利!」
通常モードに戻った短剣を腰のホルダーに戻して小さくガッツポーズをとるミルキィ。
「ミルキィ、すごいね。ぱちぱちぱち。」
「あ、あの、凄い音がしたみたいだけど…今のってミルキィがやったのよね?」
ミルキィに駆け寄るアリスとクチナ。
強敵相手の勝利にこころなしか浮立っているような口ぶりだ。
「まぁね。アレをやるとちょっとお高い魔石を消費しちゃうんだけど…見たところ上級妖魔みたいだったし、対価としては十分かなって」
魔法剣、『電神(デンジン)の刃』。
高い魔力がこもる魔石を供物にすることで電神ボルトリオの力を降ろす。
その威力は御覧の通り、である。
「お高い魔石… そ、そう言えば『一発あたり一千万エイン相当』って言ってたけれど…」
「そうそう。威力は凄いけど燃費が悪いんだよね。さすがに普段は出し惜しみしてるんだけど」
「…ひょっとして、ミルキィすごいおかねもち…?」
「そーでもないよ。大金もらってもすぐバーッと使っちゃうしね。稼ぐのは好きだけど使うのも好きなの」
そこまで言うと、ミルキィは少し神妙な顔つきになった。
「それに…今回は特に、このタワー攻略のためには出し惜しみしないって決めたんだ。プリうさのみんなで最後までやり遂げたいって思ったから」
「ミルキィ…」
「ま、まぁ結局、あたしが凄いっていうより武器が凄いんだけどね。あはは」
恥ずかしいセリフを言ってしまって照れたのか、笑ってごまかすミルキィ。
(…そんなことない。これほどの力を持つ魔法剣を使いこなせるセンスを持ってる人間なんて…そうはいないわ)
今更のように、クチナは思う。
(―この子は、何者なんだろう?)
なぜお告げはこの子を仲間にしろと告げたのか。
単純に戦力としてなのか、それとも…何か『役割』が与えられているというのか。
何かモヤモヤとした思いを抱えるクチナだった。
―しばらく時間が経って。
(…)
床に倒れた巨体はピクリとも動かない。
だが意識だけは。
怒りの炎が燃え滾る意識だけは消えてはいない。
その炎はいずれ憎き『彼女』らを追い詰め焼き尽くすのであろうか。
だが今はまだ『動かない』。
今は、まだ―。
1002Res/624.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20