105:名無しNIPPER[saga]
2018/02/16(金) 23:03:28.10 ID:WhUJKF2CO
「…………やぁ」
「あ? 生きてたんだ、あなた」
「そりゃまぁ……一応最高指揮官でしてね? 防空も高い部屋だし核並の火力じゃなきゃ何とかなる」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………何だよ」
急に馬鹿らしくなって興味の失せた顔。Romaだ。
巫山戯た問答がしたいのではない蔑み。愛宕だ。
安心しつつもやり切れない渋面。あきつ丸だ。
それからどんな顔をしているか探したいのだがーーーー
「……よくもまぁ、片腕が潰れて腰から下も怪しいのに口だけは動いたものね」
「本当それ。俺ってこういうとき素になるタイプだったんだな」
「…………はぁ」
「馬ッ鹿馬鹿しいわねぇ。…………担架、いらないでしょ? 」
「待て待て待て。俺はこれでも生きてる上官だぞ。担げとは言わないけどせめてだな」
喧騒の中で四人だけを、認知できる。
あきつ丸に、愛宕に、Romaに、それから自分自身。
最も見たいはずの笑顔が、いやもしかすると空元気のアホ面に憤った乙女の怒気かもしれないが。
兎に角それだけが、無い。
「まぁ、いい。…………イムヤは? 」
「あー…………愛宕」
「んー、振らないでほしいんだけど、Roma? 」
「まったく。…………気絶したわ」
「は? 」
ーーーーーーーーーーーー
心底から心配されて、自分もしていたのだが、しかし。
イムヤは、俺が最もこの世で一つに近付いた存在は。
潰れた俺の腕を見て、泡を吹く間も無く、意識を落としたらしかった。
徽章や衣服が認識できるのなら、せめて生死くらい確認して、できれば泣いてほしいな、なんて。
言おうと思った筈の自分も、出血の所為でどうやら三日は起きなかったとか、なんだとか。
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