19:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 22:13:21.65 ID:fvWGtEXXO
「まぁまぁ……ってとこね」
降り注ぐ銃弾、視界を塞ぐ硝煙、足下の水中を飛び交う魚雷。
飛び跳ねる波飛沫が服に掛かるのも、今ならば不快じゃない。
やってやる、殺ってやるんだ。
私が誰かなんてことは気にもならない些末事。
私は人間ではないかもしれないけれど、古臭くてガタのきた船じゃない。
ましてや戦火に散った想念の亡霊なんかでは絶対に、あり得ない。
私は私。時々何かに囚われて過去とも言えないいつかの記憶に混濁することはあるけれど、違う。
私は、Roma。それ以外になんてなってたまるものか。
「攻撃を開始する。主砲、撃て! 」
無線からは相変わらず撤退を促す声が聞こえたけれど、関係無い。
この私が、一人で地に立った女が、負けたままではいられない。
命令無視なんてものは、知らない。
偉い上官なんてものは、知らない。
敵も上官も、それに国家も同じ。
黙らせれば、いいんだ。仮に私が沈んだのならさようなら。
でも、もし仮に私が私であり続けることが許されるのならーーーー
「新しいスイーツでも……奢らせてあげる」
強い女に傅かせて、貢がせてやろうというのだ。いっそ感謝でもしてほしい。
あぁ、そうだ。私は負けない、沈まない。
必ず帰って、帰って……いや、雑念は不要だ。
目的なんてものは無くたっていい、後からつくればいい。
取り敢えずは、そう……スイーツくらいしか思い付かない自分の間抜けさだって火力に変えよう。
「姉さん? あなたが来る前に、全部終わっちゃうかもよ? 」
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