モノクマ「深夜枠に移動になっちゃった」白銀「えっ?」【安価コンマスレ】
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407: ◆1SKn6znVT2[saga]
2018/11/10(土) 22:35:14.36 ID:lP5ypgop0
薄暗い部屋に年頃の男女が二人っきり。
良からぬことを考えてもおかしくないシチュエーションだろう。だけど、それはない。
二人は兄妹なのだから。血が繋がっていなかろうが互いが互いをどう思っていようが、それはない。

「ははっ。なんでトレーニングルームに砲丸なんて置いてんすかね。ていうか、重っ」

ランニングマシーンの上に座る男が砲丸をダンベル代わりに持ち上げながら喋っている。わざとらしい口調だ。隣で塞ぎこんでいる女の子の気を紛らわそうとしているのだろう。しかし、女の子の方は顔を上げようともしない。相当に参っているようだ。無理もない。この短期間で余りにも人が死に過ぎた。それに気味の悪いマスコットから告げられた真実とやらも相当に重い。
兄という立場にあるからこそ崩れ落ちてはいないが、実際男の方も限界だった。
何の気なしに姿見を見れば、疲れきった顔が映っていた。髪もボサボサで心なしか白髪のようなものが混じっている。

「……ねえ、蘭太郎君。私達って本当にフィクションの存在なのかな?」

俯いたまま女の子が口を開くが、声には絶望が宿っていた。

「お母さんもお義父さんも本当は居なくて、私には才能なんて本当は無くて、大事な思い出も全部捏造品で、私達の人生なんて全部出鱈目で…………外に帰れても居場所なんて何処にも無いのかな?」

男は黙る。違うとは言い切れない。というよりも、その説を裏付ける証拠が出てしまった。
この話題が出た時に兄妹で昔の記憶について改めて話し合ってみた結果だ。
印象に残っている思い出は大体同じだったが、家族達の容姿が全然異なっていた。余りにも露骨に食い違い過ぎたから、わざとなのだろう。お前らの記憶なんか嘘っぱちだという事を理解させるための罠。
記憶が弄られているのは間違いない。大切にしていた姉妹達はそもそも存在していないのかもしれない。自分達も兄妹ではなく赤の他人なのかもしれない。
しかし、そういう事を差し置いて真っ先に思い付いてしまった馬鹿な考え。それこそが男に鬱をもたらしたものだった。

「……まあ、そうかもしんないっすけど。その、俺達の生い立ち全部が設定だったって言われてちょっとだけ良いかもって思っちゃった事があるんすよね」

返ってきた言葉に女の子が顔を上げた。兄は照れくさそうに頬をかいていた。女の子は驚いたように目を見開く。そう、心無い言葉に怒った訳ではない。ただ、驚いただけ。

「だったら結婚できるかもなって。血が繋がっていなかろうが、兄弟だったらなんかややこしそうじゃないっすか」

まさか自分と同じことを考えてくれたのかというような、そんな表情だった。
男の言葉に女の子の涙腺が緩み、そして、………。


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「…………不愉快ね」

言うなり手袋を嵌めた手がテレビのリモコンを投げつける。
言葉の通り、苛立っていたのだろう。ぶつけられたディスプレイに蜘蛛の巣状のヒビが出来上がり、映像にノイズが走り出す。
唇を密着させた男と女の子。どちらの顔面にリモコンがぶつけられたのかは良く分からなかった。


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