ゴブリンスレイヤー先輩
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4: ◆KZnt6dxe9U
2018/02/12(月) 18:51:34.10 ID:1/1w/fsw0
街によって特色がわかる場所は3つある。
1つは市場。経済の流れ。
2つは教会。文化の発展、信仰具合。
そして、3つ目は冒険者組合。治安の需要と供給。
では、この【下沢北】の冒険組合はどうか。

田所はその冒険者組合のドアを開ける。静かに、何事もマナーは重要だ。例え昼間の冒険者組合でも。
と、同時に少年4人がすれ違いで出て行く。剣士、武闘家、魔法使い、ケガなどの理由でドラフト指名されなかった不運の野球選手。
田所が彼らの装備を見る限り、そうではないかと予測。と同時に心配していた、彼らの装備は主武器と安い金属で作られた鎧で貧弱だったから。
新人の冒険者――よほどのスペシャルでもなければ、コンプレックスと根拠のない自信だけが武器の若者たち。
「あんな可愛い子たちがキズつくのは心が痛むな」
しかし、あの歳では素直に人の言葉に首肯するものは少ない。
田所は首をわずかにふると、冒険者組合のカウンターにむかう。
カウンターにはカウンターの上に足をのせ、タバコを吹かす男、谷岡。
「ゴブリン退治は終わったわ。次のゴブリン退治の依頼をお願い」
ちっ、と吐き捨てる谷岡。
「悪いな、ゴブリンスレイヤー。今日の抽選会は終わったぜ」
「ホント」
「本当」
「誰」
「さっき出て行ったガキどもだ。まったく運が良いのか、悪いのか」
「……」
「おっと、そんなに怖い顔すんなよ。ルールだろ、人気ある依頼は公正に抽選、と」
「……わかった」
田所はそう言い残すと、カウンターに背をむけ、離れようした。
と、谷岡。
「新人は経験が必要だ。時間はくれてやれ」
田所は正面を向いたまま、言う。
「じゃけん、夜行きましょうね」



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