ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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215: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2018/11/08(木) 02:10:16.28 ID:TulCDFQH0
…同じ頃・施設内の一室…

L「あれが今期の訓練生たちか…」

7「はい」

L「ふむ……今の所でだが、「優」が付けられそうなのは候補生A6、C2…D4と言ったところか」

7「そのようですね」

L「特にA6(アンジェ)は抜群だな。何事であれそつなくこなし、飲み込みが早い。そして感情を上手く制御することができる……この歳ではなかなか見られない素質だ」

7「私もそう思います」

L「D4(ドロシー)はその次と言ったところだな…これもなかなかいい。性格は活発で積極的。気ままに振る舞っているように見えるが、肝心なところではきっちり目的を果たし、運もある……偶然に助けられることのあるエージェントにとって、運がいいと言うのは重要な素質だ」

7「確かに」

L「C2(委員長)は努力家タイプか…何事も几帳面にこなし、常に学習を怠らない。重圧に対して緊張しやすく、物事を真剣に考え過ぎる性格ではあるが、能力は高い……ふむ、慣れればもっと実力を発揮できるようになるかもしれん」

7「そうですね」

L「ああ。しかしな……」

7「…何か?」

L「うむ…教官たちはよくやってくれているが、そもそも私はこの「訓練所」方式が気に入らんのだ」

7「と、言いますと?」

L「もともと「一か所に訓練生を集め、一度に多数を育てる」という考え方は軍のものだ…確かに偵察部隊や軍の破壊工作班なら顔が分かった所で困らんからそれでもいい、しかしな……」

7「我々のような組織からすると欠点もありますね」

L「そうなのだ……多くの訓練生が一緒になっていると言うことは、もし中の一人が将来「転向」したり尋問で「歌ったり」…尋問官がよほどの愚か者でない限り必ずそうなるが…した場合、どんなエージェント候補がどの位いて、どんな訓練をどこで受けていたか分かってしまう……」

7「ええ、ですからあなたは…」

L「うむ…訓練生ごとにバラバラの住まいを用意して、教官が訪ねるスタイルを採りたかったのだが……この状況ではな」

7「王国と分断された混乱が収まる前に、大量の工作員を急速に送り込む必要がありますからね…」

L「ああ……おまけに上層部は「工作そのもの」には金を惜しまないが、訓練やエージェントにかける出費は渋るばかりだ…」

7「ですからあなたは…」

L「そうだ…訓練生の「初等教育」だけをここで行い、後は細分化していくつもりでいるのだ」

7「…わたくしも微力ながらお手伝いいたします」

L「ふむ…謙遜はエージェントには不要な特質だぞ?」

7「…ふふ」

L「ふ…とにかく訓練生A6、D4、C2は有望だ」

7「そのようですね」

L「ああ。最終的には使ってみなければ分からんが、上手く育てれば「レジデント」(駐在工作員)になれるだけの実力があるだろう……エージェントとして工作に使えるのは最高の人材でも三年から五年がせいぜい、悪くすれば数週間だ…そして一番使える年齢は二十から三十五歳…長く見積もってもな」

(※レジデント…『大使館付商務官』などの身分を偽装として与えられ、現地指揮官として任務に合わせた工作の細部を自分で決めることができ、複数のエージェントを指揮しながら工作も行うトップクラスのエージェント。すべての技能が抜群でなければならず、このクラスになれるエージェントは滅多にいない)

7「はい」

L「……その考えで行けば、D4は訓練後すぐに活動させてもいい歳だな…他はまだ若いが、A6は歳のわりに落ち着きがあるから、これも考慮に入れるべきかもしれん」

7「なるほど」

L「場合によってはグループを組ませ「細胞」方式で活動させるのもあり得るな…」(※細胞…複数のエージェントが「職場の同僚」など同じカバー(偽装身分)を与えられてグループ活動すること。単独より監視活動などは楽で、工作員同士がお互いに寝返りを監視する意味もあったが、目立つことから好まれない)

7「かも知れません」

L「うむ……とにかく一度訓練生たちを見てみたかったのだ」

7「分かっております」

L「……しかし自分で決めた保安措置とはいえ、戻りにはまた「アレ」に乗らないといかんのか…」ファームに行くために乗ってきて、今は裏手に停まっている霊柩車…そこに収まっている狭苦しい棺のことを考えてため息をついた…

7「あなたはまだ恵まれておりますよ…私はあれですから」同じく洗濯屋の大きなカゴに入ってやってきた「7」も、いくらかげんなりしたように言った…

L「…ふむ、その点に関しては同情する」

………


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