ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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544: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/06/25(金) 01:39:41.27 ID:S2v7jigi0
…後日・部室にて…

ドロシー「よう、おはようさん…♪」

ちせ「うむ、おはよう」

ベアトリス「お早うございます……今朝はずいぶんご機嫌ですね、ドロシーさん?」

ドロシー「ふふん…まぁな♪」

プリンセス「…何かいいことでもあったのですか?」

アンジェ「いいことかどうかは分からないけれど……ドロシーがご機嫌なのはこの記事を読んだからでしょうね」

プリンセス「なぁに、アンジェ? …えーと「貨物船ドーヴァー海峡で遭難、救難活動続く」……私にはただの海難事故を報じる記事にしか見えないわ」

ドロシー「そりゃあ一見するとそうさ……しかし記事を読めば分かるが、その船を運航させていた海運会社は「ファーイースト・クラウン・ライン」で、遭難した船はホンコンから陶磁器を運んでいたとあるはずだ」

ベアトリス「確かにそう書いてありますね…あれ、でも「ファーイースト・クラウン・ライン」って……」

アンジェ「そう…貴女たちが行った情報収集のおかげで、実際には「粉」や秘密の物資、資金を運ぶために船を運行していることが判明した王国情報部のフロント企業よ」

ドロシー「そういうこと……で、あちらさんが山ほど「粉」を積んでドーヴァーの沖までやって来たところで、その船をドボンと沈めてやったわけさ♪」

ベアトリス「なるほど…」

アンジェ「ドーヴァー海峡といえば潮の流れも速いし、霧も出やすい……」

ドロシー「つまり事故を起こすには「うってつけの場所」ってわけでね…♪」

ちせ「しかし、どうやってそれだけの「粉」を疑われずにロンドンのあちこちに運んだのじゃろうな…」

ドロシー「ふふん、それじゃあお茶のお供にトリックの種明かしと行こうじゃないか…ベアトリス、一杯注いでくれるか?」

ベアトリス「はい♪」

ドロシー「あー…」注がれた紅茶をひとすすりすると、長いため息をついた…

ベアトリス「いかがですか?」

ドロシー「そうだなぁ……今朝のブレンドはセイロンをベースに「ラプサンスーチョン(正山小種)」とアッサムか?」

(※正山小種…茶葉を燻製して独特のいぶした香りを付けた中国原産の紅茶)

ベアトリス「むっ…ドロシーさんって意外と鋭いですよね?」

ドロシー「おいベアトリス、「意外と」は余計だぞ……ま、上流階級に潜り込むエージェントとならこのくらいは出来ないとな」

ちせ「それで、肝心の「種明かし」とやらは…」

ドロシー「まぁまぁ、そう慌てるな……」

…ドロシーはもう一口紅茶をすするとカップを置き、テーブルにひじをつくと両手を組んだ…

ドロシー「さて……ロンドン港に陸揚げされる「粉」をどうやって需要のある場所へ運ぶか。王国情報部の連中にしても、こいつが一番の悩みどころだったはずだ」

ベアトリス「はい…」

ドロシー「そこで連中は考えた…たいてい「粉」が消費されるのは会員制のサロンみたいなところだ。そういうところで使う物と言えば何か……これさ♪」飲み終えたティーカップを持ち上げてみせる…

ドロシー「ちせが前に「景徳鎮」らしい大きな花瓶の陰に隠れたと言ったな……実はああいう焼き物の糸底を高めに作っておいて、そこに「粉」を仕込んで上から陶土で塗り固めたり、梱包されたカップやポットの中にぎっしり詰め込んだりしていたんだ……焼き物なら大きさに比して重さがあってもおかしくないし、サロンが箱で注文するのもおかしくない」

アンジェ「そういうことね……他にも箱を二重底にしたり、他にも色々な手段を講じていたはずよ」

プリンセス「……真面目な人たちが少しでも中毒者を減らそうとしているかたわらで、そんなことが平然と行われていたのね」

ドロシー「プリンセスの気持ちは分かるが、諜報活動はきれいごとだけじゃあ回せないからな……ま、とにかくこれで連中もしばらくは金のやりくりに困るだろう」

アンジェ「そうね」

ドロシー「ああ。しかしそう考えると気分がいいや……今度はブランデーを垂らしていただこうかな♪」カップに紅茶を注ぐと、秘密のキャビネットからブランデーの瓶を取り出した…

ベアトリス「もう、朝からお酒なんてだめですよ…っ!」

ドロシー「やれやれ、口うるさい限りだぜ」

プリンセス「ふふふっ…♪」

ちせ「ははは…♪」

アンジェ「ふっ…」

………

…


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