ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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603: ◆b0M46H9tf98h[saga]
2022/04/05(火) 00:40:02.30 ID:UWpKHBdx0
…case・プリンセス×ベアトリス「The old lady in the old rose」(枯れバラ色ドレスの老婦人)…

L「よし、ではこの作戦で行こう……書類を二部タイプして、一部はファイルに、もう一部は経理の連中に回してくれ」

7「分かりました」

L「それで、作戦名はどうなった?」

7「はい……今回の作戦名は「シェパーズ・パイ」です」(※シェパーズ・パイ…ひき肉とマッシュポテトを重ねたパイ風の料理)


…情報部が立案、計画する作戦名はたとえ敵側に流出したとしても内容が推測できないよう、規則性を持たせないように注意している……特に関係のある単語であったり、関連する作戦に共通するカテゴリーから命名したりといった法則を作らないよう、作戦名は内勤の職員が辞書を適当にめくって見つけた単語をリストアップした中からランダムに付けられ、そのリストも使い回したりせず、不定期に変更することで「不規則性」という「規則性」が生まれないようになっている…


L「シェパーズ・パイか……いいだろう。作戦課と人事課は適任と思われる部員と支援要員を選び出し、文書課は偽造書類を、技術課は装備を用意するように……基本の装備で構わん」いつものように渋い顔で、西インド諸島産の葉巻をくゆらさせている……

7「分かりました」

L「それから財務課には活動資金を用意させろ……もっとも、年度末も近いだけに出し渋るだろうが」

7「どうにか言いくるめてみます」

L「頼むぞ」

7「それにしても、今回の作戦ですが……」

L「君に言われなくても分かっている」


…声はいつものように落ち着き払っているがどこか問いかけるような響きを持たせ、語尾を濁した7……と、Lはそれをさえぎるように苦い声を出した…

7「申し訳ありません、出過ぎたことを申しました」

L「構わん……こういう仕事を続けていると、感覚がおかしくなってくるからな。大金を扱う銀行員の金銭感覚がおかしくなるのと同じだ」

7「そうですね」

L「だが、とにかくこれを成功させてもらわなければならん……」

7「承知しております」

L「ああ」

………

…

…同じ頃・メイフェア校の部室…

ドロシー「……なぁ、ベアトリス」


…気だるい午後に、淹れたばかりのセイロン茶にお菓子を添えてお茶の時間を過ごしている「白鳩」の面々……プリンセスは多忙な公務の合間を縫って学業にも精を出していて、甘いホワイトティー(ミルクティー)で一息ついている……ベアトリスは王宮でも寄宿舎でも変わりなく、プリンセスにまめまめしく仕えているが、今は甘いお菓子をつまんでゆったりと過ごしている……プリンセスの向かいに座っているアンジェはいつものように眼鏡をかけているが、普段のカバーである「田舎娘」の表情はせずに冷静な顔で砂糖なしの紅茶をすすり、ちせはそのかたわらで王室御用達の菓子店から取り寄せている銘菓をぱくつき、ドロシーは頬杖をついたまま氷でもかみ砕くように、パリの菓子店から取り寄せたというマカロンをやる気なく口に放り込んでいる……と、三つ目のマカロンを噛んで飲み込むと手についた粉をはたき、それからベアトリスのことをじっと眺めて切り出した…


ベアトリス「なんでしょう?」

ドロシー「お前さん、裁縫は得意な方だったよな?」

ベアトリス「お裁縫ですか? まぁ苦手ではありませんけど……どうかしたんですか?」

ドロシー「ああ、なに……もし手が空いているようならちょいと手伝ってくれ」

ベアトリス「はい。もう宿題も片付けちゃいましたし、別に構いませんよ……大丈夫ですよね、姫様?」

プリンセス「ええ、大丈夫よ……ドロシーさん、今日はベアトを連れていっても構わないわ」

ドロシー「そいつは助かるよ……それじゃあ、ちょっと出かけようか」

ベアトリス「どこに行くんです?」

ドロシー「ああ、ネストの一つにな……そこで手伝ってもらいたい事がある」

ベアトリス「はあ……それじゃあ、少し出かけてきます」

プリンセス「行ってらっしゃい♪」

ドロシー「悪いな、プリンセス……アンジェ、ちょっと「グリーン・ルーフ(緑の屋根)」の倉庫まで行ってくる。夜の八時には戻るつもりだ」

アンジェ「了解」



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