ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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638: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/04/01(土) 01:03:58.05 ID:eU6vTxTE0
…どこかの牧場…

ドロシー「あいてて、すっかり身体がこわばっちまった……」

アンジェ「……」

訓練生「ねぇ、ここはどこかしら……お日様の高さからすると出発してから二時間くらいのようだけど」

訓練生B「分からないわ。樽に押し込められてから何回かぐるぐる回されたし、おかげで方向感覚もめちゃくちゃ……」

ホワイト「さあさあ、おしゃべりは後にして整列したまえ……ミスタ・ブルー、後は君が」

ブルー「ええ……さて、今日は少し毛色の違った訓練を行う」

…田舎道を何時間か揺られていると不意に乗り物が止まり、樽や箱から出されると目隠しを外された訓練生たち……教官たちに連れられて来たのは「ファーム」から二時間あまりの場所にあるどこかの牧場で、青草の伸びたなだらかな丘には放牧されている羊や山羊、黒鹿毛や鹿毛のサラブレッドが数頭、それに乳牛として飼われているジャージー種の牛たちがいて、鶏舎ではせわしなく穀物をついばむドーキング種のニワトリ、豚舎では餌を咀嚼しているヨークシャー種の豚が暮らしている…

ブルー「まず、諸君にはそれぞれ班で分かれてもらう……先頭から十人目までは私に、その次の十人はレディ・スカーレットに、あとの者はミスタ・ホワイトの指示に従うように」指示に従って教官たちの前に並ぶ訓練生たち……

………

…ホワイトの班…

ホワイト「では、君たちにはまず乗馬を覚えてもらおう……本物の騎手とまでは言わないが、基本的な馬の御し方くらい覚えておいて損はないからね」

訓練生C「……あたし、馬なんて乗ったことないんだけど」

訓練生D「私も鉱山では見たことあるけど……乗ったことはないよ」

訓練生E「わたくしは経験がありますわ」

ホワイト「こらこら、静かに……ことわざにも「ものは試し」というからね。基本的な事は私が教えるから順繰りにやっていこう」

…そう言うと背の高いサラブレッドの鼻面を優しく叩き、ひらりとまたがったホワイト……そのままウォーク(常足)からトロット(速足)、それからキャンター(駈足…ギャロップ)と馬を駆けさせ、最後は訓練生たちのすぐ前でぴたりと止めてみせた…

訓練生C「すごい……」

ホワイト「お褒めにあずかり恐縮だよ、ミス・コールドウェル」訓練生たちのくすくす笑いが収まると真面目な表情に戻した……

ホワイト「……それでは基本的な馬の性質や御し方、そして機嫌の取り方を勉強しよう」

…しばらくして…

訓練生D「……きゃあっ!」

ホワイト「おっと、大丈夫かね? 馬に乗っている以上、落馬はあり得ることだ。落ちたときに後脚で蹴られたり頭を打ったりしないよう、さっき教えた受け身を取るようにしなさい」

…馴染みのない人間が次々と騎乗したせいで少し気が立っているサラブレッドたち……途中で何人かの訓練生が竿立ちにになった馬に振り落とされたり鞍から放り出されたりしたが、ホワイトは馬をなだめるといつものように「もう一回やってみよう」と訓練生を再び馬にまたがらせた…

訓練生D「はい……あいたた」

ホワイト「……馬は賢い生き物だ、おっかなびっくりで手綱を取ると乗り手のことを侮って言うことを聞いてくれない。冷静かつこちらが主人であることを示す態度で御するように」

訓練生D「分かりました」

ホワイト「……良い調子だ、ミス・エディントン」

訓練生E「ありがとうございます」

ホワイト「うむ、その調子で御しているようにね……」

…そう言うと不意に小型のリボルバーを取り出し、馬の側で上空に向けて空砲を放ったホワイト……物音に敏感なサラブレッドは途端に暴れ出し、訓練生が手綱を引いても跳ね回っている…

訓練生E「うっ、く……!」

ホワイト「大丈夫かな、ミス・エディントン?」

訓練生E「え、ええ……どうにか御し切れると思ったのですけれど……」

ホワイト「もう少しだったよ。今度は跳ね飛ばされないようにしっかり太ももの筋肉で馬体を挟むようにすることだ……もしかしたら銃撃を受けながら馬で逃げるような事があるかもしれないからね」

訓練生E「はい」

ホワイト「……それから落馬するようなときは、あぶみに足を残していると骨折したり馬に蹴られたりするから、すぐあぶみから足を外して飛び降りるようにすること……それに倒れた馬の下敷きになったりしたら、自分で抜け出すのは難しいからね」

訓練生E「そうします」

ホワイト「よろしい……君たちも良く覚えておくように」

訓練生たち「「はい」」

ホワイト「よろしい」


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