ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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690: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2024/03/29(金) 01:08:56.06 ID:iRyZjprV0
…ある日・更衣室…

意地悪な訓練生「……それにしても不思議よねぇ、ドロシー」

ドロシー「何が?」

意地悪「マティルダよ、なんであの子が訓練生になれたのかしら? 確か教官は「我々は身分や階層、人種で訓練生をえり好みするようなことはしない」って言っていたけれど、きっと才能もえり好みしなかったのね」

イヤミな訓練生「あら、私は良いと思うけど? あの子が万年最下位にいてくれたらビリにならなくて済むじゃない」

意地悪「それもそうねぇ。それにしてもマティルダってば、いっつも子供みたいに「頑張ります!」って……ふふ、あの子いくらが頑張ったところでどうにもなりはしないのにね♪」

イヤミ「でも、その方が教官には受けが良いじゃない?」

…さしたる努力もせずそれなりの成績でうろうろしているだけの二人が底意地の悪さを発揮してマティルダを馬鹿にしているのを聞いているうちに、溜まっている疲れのせいもあってか、普段は飄々と振る舞っているドロシーも思わずカッとなった…

ドロシー「……ま、教官たちも手抜きをする二流よりゃ真面目な三流の方が使いどころがあるって考えてるんじゃないのか?」

イヤミ「へぇ、ドロシーはああいうのがお好み? 確かに小型犬みたいで、足元にはべらせておくには良いかもしれないものねぇ♪」

ドロシー「そうだな。少なくとも主人の可愛がっているカナリアを食い殺してニヤニヤしているような猫どもなんかよりはよっぽどマシだろうよ」

意地悪「ふぅん、それじゃあ少なくともあの子にも一人は味方がいるってわけね」

イヤミ「それも一流訓練生様の♪」

ドロシー「……格闘訓練がしたいんならその時間はあるぜ?」

意地悪「あら、別にそんなつもりじゃないんだけど?」

イヤミ「そんなに恋人のことを言われたのがお気に障ったのかしら♪」

???「はぁ……くだらない事を言っている暇があるんだったら少しでも訓練したら?」

意地悪「あら、貴女もいたの? アンジェ」

アンジェ「黒蜥蜴星人はどこにでもいるしどこにもいない。そういうものよ」

イヤミ「それで、黒蜥蜴星人さんもあの小型犬のことがお好きなわけ?」

アンジェ「好きも嫌いもないわ。私の邪魔さえしなければ誰が何をしようと別に構わない」

意地悪「あら、私がなにか邪魔をしたかしら?」

アンジェ「ええ……私も早く着替えたいの、油を売っている暇があるのだったら早くどいてもらえるかしら」

意地悪「これは失礼……それじゃあお先に♪」

イヤミ「では一流訓練生様どうし、水入らずでどうぞごゆっくり♪」へらへらと笑いながら出ていった……

ドロシー「……けっ、ドブ川の底みたいに性根が腐ってやがる」

アンジェ「あんな連中の言うことを馬鹿正直に聞いているから頭に血がのぼるのよ、少しは学習しなさい」

ドロシー「ああ、私の悪い癖だな……それにしてもあいつらの憎まれ口だが、ありゃあご本人にゃ聞かせたくないシロモノだな」

アンジェ「それについては同感だけれど、残念ながらそうはいかなかったようね……」

マティルダ「……」

…アンジェが軽くあごでしゃくった先には、ロッカーの陰からひょっこり顔を出しているマティルダ本人がいた……普段どんなにキツい訓練でも泣き顔だけは見せない彼女が、珍しく顔をゆがめて涙をこらえている…

ドロシー「……聞いてたのか?」

マティルダ「うん、ちょうど二人がドロシーに話しかけたあたりで……」

ドロシー「そうか……ま、あんな奴らの言い草なんか忘れちまえ」

アンジェ「それに世の中にはもっと大変な事だってたくさんあるわ、あんなので泣いていたら涙が足りなくなるわよ」

マティルダ「そう、だよね……うん、頑張る」

ドロシー「よしよし、その意気だ♪」髪をくしゃくしゃにするように頭を撫で繰り回した……

マティルダ「わひゃあ!?」

ドロシー「ぷっ、なんだよその鳴き声♪」

マティルダ「もうっ、いきなり頭を撫でたりするからでしょ?」

アンジェ「どうやら泣き虫は収まったようね」

マティルダ「ええ、だって一流エージェントはアンジェみたいに表情に出さないものだものね」

アンジェ「……」そう言って純粋な憧憬をたたえた瞳を向けられ、さしものアンジェも困ったような表情をちらりと浮かべた……


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