ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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695: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2024/05/25(土) 01:10:56.32 ID:J9lrQpcw0
…週末の夜…

アンジェ「……おおよその情報が集まったわね、そろそろ誰を「推薦」するか決めましょう」

ドロシー「そうだな。プリンセスとベアトリスが目星を付けたやつの中から、私とお前さんでそれぞれ選んで評価を突き合わせてみるとしよう」

…寮の生徒たちが就寝前の自由時間を勉学やおしゃべりに過ごしている間、アンジェとドロシーは部室にやって来て話し合っている……スカウト候補の生徒にはそれぞれ動物の名前をあてがい、特徴をそれらしい文言に置き換えることで「博物クラブ」の標本コレクションに添える解説文に見せかけてある…

アンジェ「ええ……それじゃあ一人目はこの生徒」

ドロシー「そいつか、私も「あり」だとは思ったんだが……」

アンジェ「気に入らない?」

ドロシー「ああ、本人の行動範囲がベアトリスに似通っているんだ。そいつが疑われてベアトリス……ひいては「白鳩」にまで飛び火するのはマズい」

アンジェ「なるほど、それじゃあ貴女の方は?」

ドロシー「それなんだが、こいつはどうだ?」

アンジェ「悪くはないわね。実家が金銭的に少々行き詰まっており、仕送りが満足ではない……」

ドロシー「学費以外は家にねだる訳にもいかず、そのくせ体面があるからつましく過ごすこともできない……上々じゃないか?」

アンジェ「ええ」

ドロシー「いんちきポーカーか何かでカモってやればにっちもさっちも行かなくなって、スカウトが来たら二つ返事で応じるようになるはずさ」

アンジェ「そうね……こっちの二人目はこれよ」

ドロシー「ふむふむ、貴族ではあるが親の爵位に不満を持つ男爵令嬢……か」

アンジェ「理想やきれいごとよりも嫉妬や欲望の方が原動力としての力をもつ。その点で言えばいい素材だと思うわ」

ドロシー「同感だね。ま、おおかた舞踏会か何かで恥をかかされたかなにかしたんだろう……貴族令嬢のくせに貴族社会を裏切ろうって言うんだから、嫉妬ってのは分からないもんだな」

アンジェ「そうね。次はこれ」

ドロシー「例の「プリンセス同好会」のひとりか」

アンジェ「ええ。とにかくプリンセスの事が大好きで、プリンセスに言われたら手を汚すこともいとわない」

ドロシー「そこまでのことを頼むわけじゃないし、後ろめたさもなく活動してくれるはずだな……おしゃべりだったりはしないよな?」

アンジェ「貴女の言う「墓石のように」とまでは言わないけれど、どちらかと言えば口の固い部類に入るわ」

ドロシー「分かった。お次はこれだ……♪」

アンジェ「なるほど、学内での不純な同性との交遊など不品行あり……現状ではそこまで度を過ぎてはいないが、誘惑されやすい」

ドロシー「それに「退学になっても構わない」と腹をくくるようなやつなら脅しも効かないが、幸いにしてそこまで度胸はすわっていないらしい」

アンジェ「そうでしょうね、家族としてみたらとんだスキャンダルになりかねない」

ドロシー「そういうこと。自慢の娘が「寄宿学校でよその貴族令嬢やなんかと乳繰りあっていた」なんて話が漏れた日には破滅だからな」

アンジェ「そうしたとき、親がもみ消そうとすればなおの事こちらの脅しが効くようになる」

ドロシー「ああ、何しろもみ消そうとしたってことは「知らなかった」って言い訳が通じないわけだからな」

アンジェ「その通りね……候補は以上かしら?」

ドロシー「そうだ。マッコール嬢……例のアイリッシュ系のやつだが、そもそも共和国寄りに見えるようなやつだから一緒にいるとあらぬ疑いを招く」

アンジェ「……それに、彼女は臭い気がする」

ドロシー「やっぱりお前さんもそう思うか……私もやっこさんの事は気に入らないんだ。事あるごとに王国のお嬢様たちと喧嘩してみたり、金欠ぶりを見せびらかしてみたり、アイルランドの血筋をひけらかしたりしてな……あいつはどうも共和国に親近感を感じている生徒を探り出すために王国が送り込んだんじゃないかって気がするんだよな」

アンジェ「同感ね。私たちからすれば露骨な餌だけれど、罠をしらない「共和国かぶれ」のお嬢様方なら簡単に引っかかる」

ドロシー「ああ……それじゃあ報告する「スカウト候補」はこれでいいな?」

アンジェ「ええ」

ドロシー「これでちっとは楽ができるようになるといいな?」

アンジェ「この任務が続く以上、その期待は望み薄ね」

ドロシー「相変わらず冷たいやつ……♪」

アンジェ「黒蜥蜴星人だもの……それに冷たいのではなくて「現実的」と言って欲しいわね」

ドロシー「はいはい♪」


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