ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
↓
1-
覧
板
20
762
:
◆b0M46H9tf98h
[sage saga]
2025/12/15(月) 01:50:36.46 ID:JbEr8iQ40
侍女B「それじゃあ私たちは姫様の寝室を掃除してきます」
ベアトリス「よろしくお願いします」
…そして侍女たちはそれぞれの「派閥」があるとはいえ、それよりも王室における侍女同士のネットワークや暗黙のルール、しきたりといったものが優先され、それをないがしろにしようとするものや無視しようとするものは排斥の対象になる…
侍女C「それでは、また後でね?」
ベアトリス「はい」厳格で硬直化した決まり事でがんじがらめになっているように思える世界だが、実際には日々の業務がやりやすくなるような制度上の裏口や抜け道がいくつもあって、はじめは戸惑うばかりだったベアトリスもいつしかその呼吸を飲み込んでうまくやれるようになっていた……
侍女「……ふふ、ベアトリスったら」
侍女B「ね? すっかりシャーロット王女に首ったけで……♪」
侍女C「ああいうとこ、なんとも初心で可愛いわよね?」
…ベアトリス自身はそう思っていなかったが、侍女たちの間では小さい身体でまめまめしく働く律儀なベアトリスは可愛いマスコットや妹分といった扱いで、ちょっとした貴族の娘とはいえそれを鼻にかけない素直な性格も好まれていた…
侍女「そういえば……このところミセス・ライブリーの一派はあの子に手厳しいみたいね」
侍女B「聞いたわ。ミセス・ライブリーときたらあんな性格でプリンセスのお気に入りになれないものだから、当てつけでやっているんだわ……そんなだからプリンセスから遠ざけられるのよ」
…たしかに侍女の中にはベアトリスのおどおどしている部分を「わざと性格を作っている」などと中傷するような意地悪な者もいたが、そういった連中はたいていプリンセスのお気に入りであることに対するやっかみや当てつけとしてベアトリスを対象にしているか、あるいは王位継承争いの余波としてプリンセス付きの侍女であるベアトリスにまで非難の矛先が向いているだけで、それも共和国とのゴタゴタや王室内にいるとされるスパイ騒動のあおりで内務卿主導の警戒が厳しくなると、うかつな言動一つでニューゲート監獄送りになりかねないとなりを潜めつつあった…
侍女C「言えてるわね。さ、それより早く寝室を片付けないと!」
…しばらくして・プリンセスの書斎…
お付き「こちらは一般大衆からの手紙ですのでお名前だけ添えていただければ結構です」
アンジェ「はい、ミスタ・ケイル」
…どんな階層の人間に対しても分け隔てなく気配りを忘れない王女殿下として、手元に届いた全ての手紙に目を通し、返書にサインを書いているプリンセス……もちろん、読み書きが出来て王室宛に手紙を投函できる(時間的にも金銭的にも)余裕がある人間という時点で『一般大衆』のなかでもある程度の『上澄み』ではあるが、そうした人々の書きつづる言葉には世情を反映したものが多く、プリンセス……そして当然ながら入れ替わっているアンジェもそうした言葉や気持ちをおろそかにしないよう努めている…
お付き「こちらの手紙は各地の準男爵や名士、郷士(ジェントリ)たちからのものですので軽くひと言を」
アンジェ「ええ、そうします」
…各地の様子をはじめ農作物の収穫、鉱山の好不調……とうてい見回っている暇などないアルビオン王国領内の様子を一枚の手紙がすべて教えてくれる……この時代にはまだ定義づけられてもおらず概念としても生まれてはいないが、ある種の「オシント」としてアンジェたち「チーム白鳩」は新聞や手紙、噂話と言ったものも重視していた…
(※OSINT…「Open-Source Intelligence」の略。新聞やニュースなどの合法かつ公開されている情報をつなぎ合わせることで相手勢力の動向を探る情報活動。多くの資料を集めなければならないため労力を要するが、活動に違法性がない(少ない)ことから敵対勢力の監視下にある在外公館等でも行え、高度な技能を有するエージェントを投入する必要もなく、逮捕などの危険も少ないなど利点も多い)
お付き「……それからこちらは以前フェントウィック卿にお出しした手紙の返書にございます」
アンジェ「そうですか、相変わらず老ダンカンは気難しくていらっしゃるのかしら?」
お付き「さて、どうでしょうか」
…プリンセスに聞いて「予習」していたので、誰とどんなやり取りをしているか、あるいはどんな懸案事項を抱えているのかを把握しているアンジェ……ペンを持つと字体から言葉の使い方までプリンセスになりきって手際よく返事をしたため、同時にエージェントとして気になる情報を記憶していく…
アンジェ「……」
…文鎮で押さえられていた便せんの山を片付けていくと、中から二度目の脅迫状が出てきた……何食わぬ顔でもう一枚の便せんと重ねて取ると、滑らかな手つきで問題の便せんをスリ取るようにして袖口に滑り込ませた……その後も何食わぬ顔で返事書きをすすめ、最後に万年筆の筆先を拭うとペン立てに戻した…
お付き「では、あとはこちらで片付けておきます。次は馬術の時間でしたな、どうか遅れませぬように」
アンジェ「ええ。どうかよろしくお願いいたします」
………
…宮殿・馬場近くの更衣室…
ベアトリス「さぁ姫様、馬術のお時間ですからお召し替えを。さいわいお天気ですから気持ちもよろしいかと……二通目、ありましたか?」
アンジェ「ええ。こんな素敵なお日柄だもの、馬術のお稽古だってますます楽しいわ♪ ……あったわ、持っておいて」こよりのように細く折った脅迫状をそっとベアトリスに手渡した……
ベアトリス「じゃあやっぱりこの宮殿内に姫様を狙っている人が……」
アンジェ「きょろきょろしない。どこで見張っているか分かったものじゃない」
ベアトリス「は、はい」
アンジェ「もし狙ってくるとしたら馬術の前後ね……馬場は庭を通じて宮殿のあちこちに繋がっているし、いざとなれば塀を乗り越えてロンドン市内に逃げ出すこともできる」
ベアトリス「わたしもお側にいた方が良いでしょうか……?」
アンジェ「いいえ、あくまでも普段通りに勤めてちょうだい。それより書斎に入れる人間が誰で、誰と話しているかをそれとなく見ておいて」
ベアトリス「分かりました」
アンジェ「待って、足音がする……どうもありがとう、ベアト♪」さっとプリンセスらしい柔らかな笑みを浮かべると、乗馬手袋を差し出すベアトリスの手を軽く取る……
血色の悪い侍女「……失礼いたします、乗馬靴をお持ちいたしました」少し血色の悪い一人の侍女が茶革の乗馬靴を持ってきた……
アンジェ「ええ、ありがとう♪」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
763Res/2186.49 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
書[5]
板[3]
1-[1]
l20
ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」-SS速報R http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1520954906/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice