133: ◆/87jeglEwfUL[saga]
2018/04/16(月) 23:10:01.20 ID:ddLGa8nC0
<アライ引き>
俺はゲームセンターに似合わない物を見つけてしまった。
俺『なぁ、ここってお祭り会場だっけ?』
友人『あぁ、あれか。』
お祭りでよく見かける、紐を引っ張って景品を吊り上げる屋台のゲームが、そこに置いてあった。
俺『小さい頃に、祭りに行ったらやってたなぁ。』
友人『千本引き、ここではあんまり人気無いんだよな。』
あれって、そういう名前だったのか。
友人『見てみる?』
俺は頷き、中を覗いてみた。
俺『中は暗いな。』
友人『これ、始めるときに明かりがつくんだよ。』
うっすらとだが、中にはアライちゃんが5匹、穴から頭だけを出している状態であることが分かった。
頭の辺りから紐が見えたので、よく見てみると首にそれらが掛けられていた。
すると、アライちゃんがこちらに気付いた。
アライちゃんC1「ここから、りゃすのりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんC2「おかーしゃーん!!」ジタバタ
アライちゃんC3「ぴぃ!! みつかったのりゃ!!」ビクッ
アライちゃんC4「も、もう、おわりなのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんの反応が怖くなり、中の観察はそこで切り上げた。
ふと、装置の手前を見てみると、10本の紐が飛び出ていた。
俺『紐が多くないか?』
友人『全部引くわけじゃないからな。』
俺『そうなのか。』
友人『チャンスは5回。』
俺『5回全部空ぶることもあれば、5回全部吊り上げることもある、ってわけね。』
俺は、ふと浮かんだ疑問を口にした。
俺『あれ、抜け出したりしないのか?』
俺はアライちゃんを指差し、友人に尋ねた。
友人『あぁ、あれは体と手をバンドで固定されてるから、出てこないぞ。』
俺『ふぅーん。』
俺は離れた位置から、中の様子を伺った。
アライちゃんC1「はやく、りゃすのりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんC2「りょーして、たしゅけにきてくれないのりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんC3「も、もう、おちまいなのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC4「ちにたくないのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんが思い思いのことを口にしていた。
友人『やってみるか?』
俺はその問い掛けに頷いた。
頷いたのはいいが、内心はすべて外れてほしい、という思いで一杯だった。
友人『無理だと思ったら、すぐに変われよ。』
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