【安価コンマ】サキュバスによる魔法少女狩り 3
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54: ◆DcY2UQdn6g[saga]
2018/12/02(日) 18:38:05.44 ID:oU35SpbB0
司令官「遅い・・・」

緊急招集をかけてから小一時間程経過したところで女司令は思わず愚痴をこぼす。

司令から直々に呼び出されたとあれば真っ当な魔法少女なら文字通り飛んで駆けつけるのが常だ。

まあ、今回呼び出した彼女が真っ当かと問われれば答えに窮する所ではあるが。

こんな時にイライラしてはいけないと、空になったコーヒーカップのお代わりを持ってこさせようと席を立とうとした時だった。

司令官「!?」

空中にドミノマスクがフヨフヨと浮いているのが視界に入り思わず声を失う。

驚愕から後ずさりはするもひっくり返らなかったのは元魔法少女の矜持か。

そうこうしているうちにマスクの動きが止まるとそこを起点に文字通り魔法が溶けたように人の姿が現れる。

海「アハハ。案外バレないものなんだね。あんまり気づかないからこっちから種明かし♪」

白のシルクハットにタキシード姿の正に絵に描いたようなマジシャンの少女がそこにいた。

悪戯っぽい仕草で外したマスクの下からはやや幼さを残しながらも愛らしく整った顔立ちが覗く。

腰まである長い黒髪を三つ編みで纏めた髪型が印象的だ。

そんな司令机の対面に立つ彼女こそ14歳の若さにして魔法少女の最高位にまで昇りつめた天才、白羽根 海である。

マジシャンの父と魔法少女の母から産まれた彼女は虚実の入り混じった戦法を得意とし常に飄々とした人を食ったような態度を崩さない。

司令官「何時からいたの?それにその服装は・・・」

苛立ちを隠しきれない口調で女司令が問う。悪戯を仕掛けたのもさることながら魔法少女の正装とはかけ離れた姿が気に入らない。

正式な規則が有るわけでは無いが上官に直々に呼び出されて制服を着ないというのは彼女の常識からはあり得ない事だった。

海「うんとね。15分くらい前かな。バレないように音を立てずドアを開けて、後は姿隠しの魔法でチョチョいとね♪」

全く悪びれる様子が無い姿に女司令もこれ以上の追及は無駄かと半ば呆れながら諦める。

服装の件についても大方、マジシャンの正装はこれだと言い放つだろう。

司令官「今日、貴女を呼び出したのは他でもありません。我々人類の最大の脅威、サキュバスから脅迫状が届きました」

机の上に件の手紙を置き、海に解読を促す。

手紙に触れ、流れ込む映像と音声を読み取る間は流石の彼女も真剣な表情になり眉をひそめた。

司令官「勿論、明らかな罠だと思われます。ですが要求を飲まなければ4人の命は・・・」

嘘である。4人の痴態さえ世に広まったとしても命を取ることは決してないだろう。

だが、女司令は事前に、要求がのまれなければ4人が処刑されると手紙の内容を書き換えたのだ。

司令官「既に本部にはこの内容を通達した上で対応案を練っていますが指定された日時まで時間がありません」

これも嘘だ。責任追及を恐れ彼女は本部に連絡などしていない。

司令官「なので貴女には潜入と時間稼ぎ、可能であれば人質の救出をお願いしたいのです。請けてくれますか?魔法少女 白羽根 海」

海「うん。良いよ」

驚くほどあっさりとした回答に司令が面食らうが海は更に続ける。

海「仲間の為だもん。危険何てこれまで何回も経験してるしね。それと・・・」

腰のステッキでシルクハットのつばを引っ掛けるとクルクルを回した後に不敵に微笑んだ。

海「やっつけちゃっても良いんでしょ?そのサキュバス。態々、一人で呼び出すくらいなら向こうもそのつもりだろうし」

あまりに自信たっぷりに言い放つので司令は二の句が継げなくなるが今はそれが頼もしくすらあった。

海「魔界での公演なんて初めてだなぁ。どんなマジックでお客さんを喜ばせようか」

その黒い瞳には一点の迷いも曇りもなく輝いていた。


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