加賀「……何をしているの、あなた達」 「「っ!?」」
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259:名無しNIPPER[saga]
2020/01/23(木) 18:29:41.86 ID:jNWf9T/X0
パース「……!!」

提督(パースと名乗ったオーストラリア海軍の少女は驚いたように目を見開く。どうしたのだろうか?)

提督「何か?」

パース「っ!!いえ、何でもありません」

提督(そう言うと目を逸らすパース。明らかに壁を作っていた。……日本が激しくオーストラリアを攻撃していたことを考えれば仕方がないだろう)

提督「そうか」

提督(しかし、これから一緒に戦う仲間なのだ。お互いの関係が良くないと必ず艦隊に悪い影響がでるだろう。俺はなんとか打ち解けようと努力する)

提督「よければ席に座ってくれ。そろそろ来る頃だと思って紅茶を淹れてみたんだ。どうだろうか?気に入ってもらえればいいのだが」

パース「……では、いただきます」

提督(努力の甲斐あって俺はウォースパイトも満足してくれるほど美味しい紅茶を淹れられるようになっていた。きっとこの子も満足してくれるはずだ)

提督「どうぞ」

パース「頂きます。……!?おいし……っ!!」ハッ サッ

提督(紅茶を飲んだパースは再び驚きに目を見開き、視線を落としてカップを見る。つい本音が口を出たという感じで感想を述べる)

提督(そしてやってしまったとでも言うようにサッと空いている方の手で口を押え、ちらりと上目遣いで俺を窺う。俺は微笑んでその視線に応える)

提督「喜んでもらえたのなら何よりだ」ニコリ

パース「っ……本題に入らせて頂きます、提督。本来ならオーストラリアかキャンベラがお伺いするべきでしたが、撤退戦で負傷してしまったので私が参りました」

提督「ああ、聞いているよ。戦死者がでなかったことは幸いだった。よく頑張ったな。療養に専念するように伝えてくれ」

パース「っ!!……ありがとうございます。提督、私たちオーストラリア海軍所属の艦娘はこれよりABDJ艦隊へ合流し、提督の指揮下に入ります」

提督「了解した。カラブリア沖やスパダ岬においてのオーストラリア海軍の活躍は聞いている。貴官らの合流、大変心強く思う」

パース「あの提督にそう言って頂けるとは光栄です。それでは撤退戦の報告を始めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

提督「お願いしよう」



パース(新聞の風刺漫画やポスターに描かれていたような口ひげを生やした肌が黄疸のように黄色いチビで、異常なまでの出っ歯な眼鏡をかけた野蛮な猿のような人間)

パース(それが私の日本人に対するイメージだった。目の前に立ち現在の戦況やこれからの計画について説明する男はそのイメージから遠くかけ離れている)

パース(口ひげなんて生やしていない、清潔感のある見た目。肌の色も普通で、歯並びも綺麗だ)

パース(背が特別高いとは思わないけど、これでチビなら世界はチビだらけになってしまうだろう。眼鏡もかけていなかった。そして……顔立ちも整っている)

パース(しかも驚くべきことに流暢な英語を話していた。美しい発音のイギリス英語だった。たまにアメリカっぽい表現や発音が混ざるけど)

パース(出された紅茶も正直とても美味しかった。提督の言うことを信じるのなら、彼が自分で淹れたらしい)

パース(そして何よりその物腰は紳士的で、野蛮さのかけらも感じられない。好印象を持ってしまっている自分に気が付いて愕然とした)

パース(私は自分に言い聞かせる。こいつは、日本人なんだと。こいつらがしたことを忘れるなと。こいつらは野蛮な猿だ)

パース(死んでいった戦友たちを思い出す。皆を殺したのはこいつらだ!!日本人は私たちの敵だ!!……絶対に気を許してなるものか!!)


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