加賀「……何をしているの、あなた達」 「「っ!?」」
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356:名無しNIPPER[saga]
2020/02/02(日) 19:12:58.89 ID:WaXHNT3l0
提督「……」スタスタスタ ダキッ

泊地棲姫「ひっ……!?あぁっ……あぁ……?」ビクン

提督(歩み寄る俺に泊地棲姫は短い悲鳴を上げた。だが俺が抱きしめた瞬間、恐怖の声は困惑のそれに変わる)

提督「大丈夫だ。これ以上君を傷つけはしないさ」ナデナデ

泊地棲姫「……!!」ドクン

提督(深海雨雲姫に乱された心を落ち着かせることができた俺は、相手の事を考える余裕ができた)

提督(目の前にいたのは極限まで追い詰められ、恐怖に震えている女の子だった。これ以上酷い目に遭わせることなんてできなかった。労わってあげたかった)

提督「分かる。君は立ち上がった同胞を捨て置けなかったのだろう?裏切りたくて我々を裏切った訳ではない。違うか?」

泊地棲姫「っ……私は……」

提督(俺の言葉に泊地棲姫が掠れた声を出す。情報を手に入れることは後回しになってしまうが、仕方ない。これは戦争だ。殺し合いではない。可能な限り道徳や人道を尊ばなくてはならない)

提督「逆の立場だったら、俺もそうしていただろう。もういい。終わったんだ。後のことは任せろ。俺が君を守ろう」



泊地棲姫「て、提督……うぅ……」

泊地棲姫(私を抱きしめて撫でてくれるこの人は、私の事を完璧に理解してくれていた。そう、やりたくてやった訳じゃない。でもやるしかなった。しかたなかった)

泊地棲姫(優しい言葉と温かい体温は私の身も心も温めてくれた。私は提督の背中に手を回して抱きしめようとする。その時、声が聞こえた

泊地棲姫 また裏切るのか……

泊地棲姫「!?」

泊地棲姫(そこにいたのは私だった。提督の後ろ、私の目の前に立っている。私を失望と怒りに溢れた表情で見下ろしている)

泊地棲姫 お前はまた裏切るのだな……同胞を……何度目の裏切りだ……?同胞を裏切り……日本を裏切り……そしてまた同胞を……

泊地棲姫(その私が言っていることは冷たい氷の矢のように私の心を貫くと凍らせてくる……そうだ……私の言う通りだ……)

泊地棲姫「わ、私は……」マッサオ カタカタカタ

提督「泊地棲姫?」

泊地棲姫 何故まだ生きている……どうして死なない……同胞たちの死体の山を築いておいて……自分だけ……聞こえないのか……この声が……

泊地棲姫「……ひっ!?」ゾクッ

泊地棲姫(聞こえた。はっきりと。聞き覚えのある声が。もう二度と聞けなくなったはずの声が。死んだはずの私の部下たちの声だ)


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