27:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:46:22.30 ID:3QcdtyFE0
あれは、まゆのプレゼントなんかじゃなかった。
よく考えればわかる。自分の人形なんかよりも、ハンカチをプレゼントする方が現実的だ。事実、俺の使っているハンカチはボロボロだった。まゆの反応からして、嘘をついているとも思えない。
じゃあ、あれはなんだったんだ。俺は、誰から、何を受け取ってしまったんだ。昨日交わった、彼女はいったい何だったんだ。
法定速度を大きく超えて車を飛ばして、一目散に自宅に向かった。あれを置いておくことはできない。処分の方法は後々考えるとしても、夜になったらあれが動き出してしまう。得体の知れないあれと過ごすことは考えられない。何が起きているのかさっぱりわからないが、絶対、絶対にあれは処分しなければならない。
アパートに着いて、大急ぎで階段を駆け上がった。一息ついて、『まゆ』から貰ったハンカチで汗を拭いて、なんとなく、そのハンカチをギュッと握りしめた。なにも、なにもありませんように。なにも……。
マナーモードにしているスマートフォンを見ると、不在着信が入っていた。事務所から一件、まゆから三件。
これが終わったら、ちゃんと謝ろう。そして、いつか笑い話にでもしてやるさ。そうだ、俺は別に被害を受けたわけじゃない。だから、大丈夫だ。早く済ませて、事務所に戻らなきゃ。
いつの間にか、左手に持つハンカチが手汗でぐっしょりと濡れていた。その冷たさを感じながら、俺は玄関のドアを開けて――――
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