モバP「俺はプロデューサーですから」
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13:名無しNIPPER
2018/12/02(日) 19:00:05.19 ID:1PD0/cpP0
 凛は後ろから期待のような眼差しを受けながら、目の前の扉を見る。
 何処にでもある、不審な点は見当たらない、普通の扉だ。
 凛は、この話を、今でも懐疑的に思っている。

 あのプロデューサーだ。
 此方が告白しても、引退まで好きでいてくれたら、なんて先延ばしをするような人間がアイドルを、しかも小学生組に何て有りえない。
 だが、疑ってしまった自分も居た。

 自分の告白を受けなかったのは、特殊性癖だったからなのではないだろうか?
 そうなると――。

「ッ!」

 頭を大きく横に振り、嫌な考えを打ち消す。
 その勢いのまま、凛は扉を開けた。

「……」

 部屋は、暗い。
 廊下から射しこまれる光以外では部屋の様子が全くわからない程に。

 疑問に思ったが、それ以上に自分の不安を消すために進みたかった凛は、暗闇に足を踏み入れ扉を、閉めた。

 途端、真っ暗になる部屋。
 先程までにあった、光の安心感は消え失せ、暗闇で一人迷子になったような不安感が沸き上がる。

「ハァー……すぅー……」

 ゆっくり、深い深呼吸をした。
 幾分か不安感が和らぎ、一歩を踏み出した凛の耳に信じがたいことが聞こえた。

 それは、鞭で何かを叩いた音。
 次の瞬間、龍崎薫の悲痛の叫びが響いた。

「えっ?」

 しかもそれは一回では終わらなかった。
 二回、三回と数が増え、悲鳴がどんどん弱弱しいものに変わっていく。

「えっえっ?」

 気が付くと、悲鳴は止んでいた。
 しかし、それは始まりに過ぎなかった。

 凛の視線から、やや低い所に蝋燭の火が灯った。
 食い入るように見つめていると、やがてその蝋燭の蝋が溶け始めた。
 高い粘度製を目の前で見せられながら、蝋は何かの上に垂れた。

 また、甲高い悲鳴が響く。
 それは、聞き違いなく市原仁奈の叫びだった。

「や、やめて……」

 何処からともなく、嘲るような笑い声が響く。
 先程までに反響していた声より低く、男性の物であると分かる。

「……プロデューサー?」

 凛が疑問の声を上げた次の瞬間には、新たる悲鳴がこの部屋を支配して
「ちひろさん、面白そうなお話をしていますわね?」


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