【艦これ】明石・夕張「できましたよ提督!神通力測定器です」【安価・コンマ】
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100: ◆qEuo2IzOFc[saga]
2018/12/09(日) 22:04:39.17 ID:Ptahgv/L0
鎮守府の僻地、私たちの部屋から程近い其処は、当初ボイラー室か何かになる予定が鎮守府の改築計画の変更で空き部屋になり、今では地図にも載っていない。
夜の徘徊中に見つけたという其処に、どこからか調達したマットと毛布と箱ティッシュ、なぜか生きていた配電設備に冷蔵庫を備え付けミネラルウォーターを1ダース。
あっという間に其処は私たちだけの秘密の部屋になった。


「お待たせ」
「遅いよ、川内ちゃん」
 こちとらライブの大成功に沸くスタッフ相手に後片付けも打ち上げもスマイル1つで押し付けて、急ぎながらもこっそりと、逸る気持ちを抑えながら駆け付けたというのに。
 この憎たらしくも愛しい人は、シャワーを浴びて、夜食をとって、散々皆に愛を振りまいてから来たらしい。

「ごめんごめん、吹雪や江風たちに引き留められちゃってね?」
「ツーン、だ」

 他の子の名前を出されて、ついつい態度に出してしまう。
 我ながら子供っぽいなと思っては、空母や戦艦のような大人の方が好きなんだろうかとか、
 こうすれば構ってくれるとわかって拗ねた態度をとるような小賢しい真似をする自分より、真っ直ぐ求めてくる駆逐艦の方が可愛いんじゃないかとか、
 折角の二人きりなのに嫌な気持ちでいっぱいになって。

「拗ねないの。今は、那珂のことしか見てないし、考えてないよ」
「あ、……ん。」

こうして抱きしめられて、頭を撫でられながら、耳元で囁かれるだけ全部どうでもよくなった。
自分たちが女同士とか、艦娘とか、姉妹とか、そういえばシャワー浴びてないとか、でも私の匂い好きだって言ってたようなとか、どうせ皆に同じこと言ってんでしょとか、全部全部溶けて流れて、私はこの人が愛おしい気持ちに溺れてしまう。

「今日のライブも最高だったよ」
「見てくれてたの?」
「最後、ちょこっとだけだけどね」

 ちょっと埃っぽくて薄暗い部屋の中、古くて粗末なマットの上。相手は下半身でものを考えるぐーたらなケダモノ。
天蓋付きのベッドでも、白馬に乗った王子様でもないけれど、自分を見つめていてくれるだけで、自分を褒めてくれるだけで、世界が輝いて見えるのだから恋というのは全く如何して難病だ。



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