高垣楓「れんそうげえむ」
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18:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:19:54.88 ID:ThdkkE4u0
「ここのところずっと眠そうだったので、もしかしたら今日も残業かと思いまして」
「顔に出てました?」
「ほら、くまが」

 両手の爪を見せるようにして楓さんは訴えかけてくる。これはもしかして、熊とかけていたり……?


19:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:20:26.72 ID:ThdkkE4u0
「がおーっ」
「…………」
 
 予想は的中。なお、本当に熊がそう鳴くかは不明。ソプラノボイスで綺麗に囁かれても、可愛いなあと思うだけだ。


20:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:20:55.44 ID:ThdkkE4u0
「忙しいのも今くらいですから。ここを乗り切れば年末休みがありますし、あと少しの辛抱です」
「ドリンクにばかり頼っていると、くまったことになっちゃいますよ?」

 熊の手は崩さないままに、彼女はそう続ける。気に入ったのだろうか、それ。
 しかしまあ、そう言われれば確かに、卓上には空き瓶が数本並べられているのだが。


21:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:21:37.56 ID:ThdkkE4u0

「まだ若いので、なんとか」
「プロデューサーにはこれからもお世話になるんですから、将来も見据えて健康管理してもらわないと」
「そうですね。……響子に料理でも習おうかな」
「いっそ、誰かに管理を丸投げしてしまうというのはいかがでしょう?」
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:22:04.44 ID:ThdkkE4u0
 種明かしをすると、熊の手の攻勢が激しくなった。虚空をひっかくペースが上がっている。

「プロデューサーなんて、一生仕事と仲良くしていればいいんです」
「当分はそのつもりですね」
「…………それはそれで困ります」
以下略 AAS



23:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:26:55.64 ID:ThdkkE4u0
 虎の尾ならぬ、熊の足でも踏んだらしい。仕事にやりがいは感じているし、しばらくのうちはこのままでも一向に構わないと思っているんだが。
 それともなんだ、プライベート一つ充実させられないような人間にまともなプロデュースが務まるわけもないだろうという迂遠なお達しなのか。


24:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:27:36.22 ID:ThdkkE4u0
「どっちもですね」
「なるほど」

 これもまた連想ゲーム。両極端に振れるなということでどうか一つ。

以下略 AAS



25:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:28:02.95 ID:ThdkkE4u0
「それにしても、ケーキと日本酒の組み合わせなんて初めてですけど、意外に合うものなんですね」
「この前試してみたらなかなかのものだったので、いつかプロデューサーさんとご一緒にと思っていたんです」
「これからケーキの時期なんで、楽しみが増えて助かりました」

 仕事帰りに一杯ひっかけていく……というには、ご相伴にあずかっている相手が豪華すぎる気もする。
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:29:02.88 ID:ThdkkE4u0
「片付いたお部屋ですね」
「物欲がないので、自然に」

 どちらかといえば殺風景って感じだ。言葉を選んでくれたのかもしれない。
 
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:29:31.77 ID:ThdkkE4u0
「もうすっかり年の瀬ですね。びっくり」
「気づいたら来年になっていそうで怖いです、俺は。忙しいと、時間が分からなくなっちゃうんで」
「年越しはきちんとした場所で迎えてくださいね。デスクで、とかはダメですよ」
「肝に銘じておきます」

以下略 AAS



28:名無しNIPPER[saga]
2018/12/10(月) 23:30:02.55 ID:ThdkkE4u0

「……ちょっと、酔ってきましたね」
「えっ、いや、まだ全然」
「酔って、酔ってきました……。すごくふらふらします」
「……あの、女優さんならもうちょっと上手く」
以下略 AAS



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