323: ◆TgtWYAjzAI[saga]
2019/03/22(金) 01:05:43.43 ID:oisIQofbO
精霊「落ち着ける場所を探すお。夜風に当たりたいお」
精霊術師「わかった」
精霊術師は水路の脇を歩きながら落ち着ける場所がないか探した。
しばらく歩くと、枝分かれした細い水路にゴンドラが止まっていた。
漕ぎ手は厚手のローブを纏った人で、性別は不明だ。
気になった精霊術師は話しかけてみることにした。
精霊術師「これは何のゴンドラなんですか?」
漕ぎ手「お店じゃありませんよ。 ちょっとゴンドラの練習をしているんです」
精霊術師「練習、ですか」
漕ぎ手「はい、ゴンドラでお店を開くには認定書をとらないといけないんですけど、ゴンドラの実技試験もあるんですよ」
精霊術師「なるほど。じゃあ、休憩の邪魔しちゃったかもですね」
漕ぎ手「いえ、もうそろそろ再開しようと思っていたところなので。あ、良ければ練習に付き合ってもらえませんか? どこにでも連れて行きますよ、乗り心地は保証しませんけど」
精霊術師「それじゃあ、お願いしようかな」
漕ぎ手「どこまで行きたいですか?」
精霊術師「静かで、落ち着ける場所」
漕ぎ手「おっと、急に難題ですね。んー」
精霊術師「難しかったらいいんですけど」
漕ぎ手「いえ、いい場所を思い出しました」
漕ぎ手はゴンドラを動かした。
認定書とやらを持っていないと言っていたが、水路をすべるように渡る技術は上等なものだった。
水路の裏路地ともいえるような場所をすすみ、たどり着いたのは大聖堂にたつ女神像の裏手だった。
大聖堂は街の中にあって湖の上に立つように作られている。
なので、その裏手と言えばもちろん、かなり広い水の空間だった。
燈篭はほとんど見当たらず、星明りも届かない。
ぬらりとした水面に自分たちだけが浮かんでいるようだった。
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