901:オパビー[saga]
2019/03/21(木) 15:48:01.07 ID:yNFMQc2U0
私「うっ………!」
奴隷市場に着いた私は、フードで思わず鼻を押さえた。
知識として知ってはいたが、嗅いだことも無いような異臭に鼻が痛くなった。
糞尿と強いアンモニア臭、そしてその他の吐き気がするような信じられない匂い。
封紋で街に匂いが流れ出ないように封じられているからこそ、更に臭かった。
サンジェルマン「ひどい匂いでしょう。信じられますか? ここが生命の取引がされている場所なんですよ」
私「酷い……………」
これが我が国か。
文書で読んだ所では、エドというジャパンの都市の奴隷市場は上下水道が完備されており、異臭などは一切しないという。
その時、ふとあるものが目に入ってしまった。
私「…………………う゛おぇえええっ」
サンジェルマン「やはりユタさ……ユラには早かったか」
サンジェルマンが声を低くして言った。
私は吐いた。
私の視界に入ってきたのは、数々の奴隷の……奴隷だったものだった。
大きな穴が掘られ、そこに裸のまま様々な種族の死体が積まれている。
病気などで死んだ奴隷だろうか?
この不衛生の中なら死人も出るだろうさ。
顔をあげると、そこに男が液体をかけ、火を放った。
あり得ないほどの異臭が立ち込める。
私「ぇえぇっ、おえ゛っ………」
あんなの、あんなの生き物の扱いじゃない………
これが、人間なのか。
私は思った。
やはり、紙の上のインクなんかでは私の知識には足りない………!
五感で感じ取り、その時その場所で考えた物こそが本当の知識だ、と。
サンジェルマン「………帰るか?」
サンジェルマンが背中をさすりながら言う。
帰る………
いや、甘えてなるものか。
私「…………………いや、行く」
私はハンケチで口もとを拭い、立ち上がった。
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