中野五月「あいまいでぃすたんす」
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170:名無しNIPPER[saga]
2019/03/09(土) 21:28:31.38 ID:IWZIoqEe0
「似合わないですか?」
「合う合わない以前に、お前がその手のことを言うと思ってなかったんだよ」
「でも言いましたよ」
「聞いちまったよ」
「じゃあ、私はそういうことを言うかもしれない子だったという話です」
「なんてことない一言で印象がガラッと変わるから、人付き合いは苦手なんだ……」

 何千何万と繰り返すやり取りの中のたった一節。それだけのせいで、「こんなものだろう」とこちらが勝手に規定していた幅をあっさりと跳び越え、乗り越していく。想定の範囲をどれだけ広く持っていてもこうやって越えられてしまうのだから、まともにやっているのが馬鹿らしく思えてしまう。
 俺が難しく考えすぎているのは分かっている。分かっているが、誰もがこんな指針も方策もない超高難易度の試験をクリアしているのかと思うと、俺なんかよりもそいつらの方がよほど出来の良い人間に見えてくる。実際、そういう価値観で世界を運営している人々の視点に立ってみれば、落第の烙印を押されるのはきっと俺の方なのだろう。
 本当に、こいつらからは余計な気付きを得てばかりだ。気付き過ぎて、そのたびそのたび頭がこんがらがっている。



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