中野五月「あいまいでぃすたんす」
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191:名無しNIPPER[saga]
2019/03/19(火) 21:26:21.13 ID:00RO4+wC0
カレンダーの日付を見れば、今年も残すところ一週間となっていた。センターまでもう一ヵ月を切ったと思えば、時間が流れる早さに驚きもする。
結局のところ、重要なことはなに一つだって決まっていなかった。自分の行く末も、卒業までにはなんとかしておくと約束したことも。
忙しさと慌ただしさを言い訳にしてただただ時間を浪費せど、期日が伸びることはない。いつかは必ずそのときが来て、否応なしに選択を迫られることになる。そのことが常に頭の中にあるのは事実だが、現実問題、考えていられるだけの精神的余裕も肉体的余裕もなかった。今はただ、五月をサポートすることのみに尽くさないと、悔いが残ってしまいそうな気がしていたから。
……だが、それすらも、きっと言い訳なのだと思う。先延ばしにしておく都合の良い理由として、家庭教師という己の立場と、夢に向かって励んでいる五月を利用しているだけだ。悪用と言い換えてもいいかもしれない。目の前の問題に集中しているふりをして、やがてやってくることが分かり切っている課題から目を逸らしている。逸らし続けている。
無駄なことだと我ながら呆れる。こんなやり方をして、得られるものなどなにもないというのに。……それでも、どうにかして避けよう、逃げようという意思が働いてしまって、場は全てどっちらけだ。
俺はなぜ目を背けようとしているのか。どうして手をつけたがらないのか。そこにある思いにどんな名前がつくのかを理解できないまま、刻限だけがこちらに迫ってきていた。まるで俺を追い立てるように、着実に。
人間関係を楽に紐解く公式も構文も、この世界にはない。その事実に数えきれないほど肩を落としながら、それでも、俺は……。
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