中野五月「あいまいでぃすたんす」
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244:名無しNIPPER[saga]
2019/03/25(月) 20:24:35.09 ID:nWbkMq5U0
そぞろ歩く。冬の寒空の下を、上着の一枚も羽織らないで。
頭の中に響いて消えないのは、先ほどした三玖との会話。自分はただ二人が知らず交際関係にあったのかを確かめたかっただけなのに、彼女の口から飛び出てきたのはそんな予想をはるかに上回ってくる、出来ることならば知らないままでいたかった特大の秘め事で。
本当は祝福するつもりでいた。その用意を万全にしたうえで、話しかけたはずだった。三玖が彼に対して好意を持っていることは本人直々に聞かされていたのだから、それが正しい行いだと思っていた。
自分の中にある嫉妬や後悔自体は否定しない。なぜ私では、という思いが常に脳裏をチラつくことも事実で、その感情に嘘はつけない。でも、姉妹が思い人と結ばれたのならそれが喜ばしいことでないわけがないのだ。だから、渦巻く様々な感情の処理は後回しにしたって、今だけは素直に祝う側に回ろうとしたのに。
なのに、なのに、なのに。
そんなのは、あんまりだ。
私には見えていないところで、私には分からないうちに、私以外の全員が、密かに彼と繋がりを持っていたなんて。
いつからとか、誰からとか、そういうのはどうでも良かった。『そういう事実があった』というだけで、既に乱れ切っていた私の心を壊すには十分だった。
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