中野五月「あいまいでぃすたんす」
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310:名無しNIPPER[saga]
2019/03/30(土) 19:16:11.50 ID:ybCgTbmS0
 ここでようやく、途切れることなく続いていた彼の言葉に隙が生じた。水が流れるようにすらすらと繋がっていた台詞に切れ目が出来て、風の音以外が世界から消え去った。
 何を目的としたタメかは分からなかった。これから先の言葉をより一層際立たせるための助走のようなものだったのかもしれないし、単純に、言葉が出てこなくなったからかもしれない。もしかすると、彼にとっては珍しく、言葉にするのをためらっているなんてこともあるのかも。
 本当は聞いてあげる義理なんてない。耳を塞いでいても、ここからいなくなってしまってもいい。彼がしたことを考えれば私がこれからどんな暴虐を働こうがそれを咎められるいわれはないし、無視して良い。
 でも、今この瞬間だけは、なんでか黙って聞き届けようという気分になっていた。そうすることが一つの義務だと言わんばかりの強制力が世界から働いているようで、不思議とフラットな気持ちでいられた。
 単純に、興味がある。頭の良い彼が時間をかけて導き出した自己分析とやらがどんなものなのか。この場から立ち去るのは、それを聞いた後でも遅くない気がする。



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