中野五月「あいまいでぃすたんす」
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369:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:45:53.67 ID:YuPhG13q0
「……でも、私の感情は別として、あなたはきちんと後片付けをするべきです。いなくなるのだとしても、それが全て終わってからでないと筋が通りません」
「お前相手の話し合いが難航しすぎてるっていうか、正直一生折り合いつかないと思うんだけど」
「当然でしょう。どんなことをされても赦しませんもん」
「そしたら一生俺みたいな変な男が姉妹につきまとうことになるんだぞ……」
「…………だから、そういうことですよ」
以下略 AAS



370:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:46:37.85 ID:YuPhG13q0
「赦してくれないこともこれからずっと嫌われることも確定してんのに、俺はそこをどうやって攻略するんだよ」
「できませんよ。私は心変わりしないので」
「ほら、認めてんじゃん。初めから無理なんだって」

 ここで、ふと気づいた。当初の重苦しい雰囲気は消え去って、いつの間にか普段のように会話が出来るようになっていたことに。
以下略 AAS



371:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:47:27.05 ID:YuPhG13q0
「それでも、誠意を見せることはできますよ」
「誠意ってなんだよ」
「聞いてばかりじゃないですか」
「だから、俺にそういうのは分かんないんだよ」

以下略 AAS



372:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:48:15.83 ID:YuPhG13q0
「謝り続けることくらいしか思いつかないのに、それはもうお前に否定されてるんだぞ。だったらどうしろってんだ」
「だから、それを考えるのがあなたの役割なんですって」
「全然話が進まねえ……」

 同じところを行ったり来たりだ。これで問題が解決しようはずもない。されど、どれだけ頭を捻ったって出てくる案は凡庸でとても役に立ちそうはなく、その事実がいっそう俺を追い立てる。
以下略 AAS



373:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:48:56.54 ID:YuPhG13q0
「嫌われたくないっていう当初の動機がもう既に遂げられなくなってるのに、俺は今後どうすればいいんだよ……」
「泣いて赦しを乞ってみたらどうです? まあ、赦しはしませんけど」
「自己完結が早過ぎるんだっての」

 はぁーっとため息を吐きながら丸まる。どうして俺たちは、こんな場所でこんな生産性のない会話をしているのだろうか。もう何もかもが終わったはずの話を、なぜ彼女の方から率先して持ち出してくるのだろうか。その理由がさっぱり分からなくて、さらに体をぎゅっと縮めた。いっそこのまま圧縮され続けて消えてしまえたらいいのに。
以下略 AAS



374:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:49:48.46 ID:YuPhG13q0
「まあ、お前ら姉妹の仲がどうにか上向くように取り繕わなきゃいけないとは思ってるんだけどさ。それにしたって元凶の俺が介入することでよりややこしいことになる気しかしないし」
「ややこしいとは」
「いや、だから……そもそも喧嘩じゃない以上、仲直りって概念が存在するのかも分からないだろ。仲違いしてるのは間違いないけど、こと今回に関してはお前が譲歩する形でしか元鞘に戻れないわけだし」

 悪いのは完全にこっちサイド。五月に落ち度がない以上、彼女の寛容さに頼るしかない。でも、ここまで不信感を募らせた姉妹に対して温情をかけられるかと言ったら、それはかなり酷な要求であると思うのだ。
以下略 AAS



375:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:50:15.19 ID:YuPhG13q0
「どんな道を辿っても、お前は絶対損をする。妥協しなかったら家族仲は最悪のままで、妥協したら今回の怒りのやり場がない。好き勝手やったのは俺たちの方なのに、被害を被るのは全部お前だ」

 どこにも救いがないように思えて頭を抱える。人間関係を損得で考え始めたら終わりだというのは薄々勘づいているけれど、さすがにこれでは五月が不遇なんて次元ではない。



376:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:50:41.60 ID:YuPhG13q0
「ほんと、どうしたもんだかな」
「もう元通りにはなりませんよ。諦めてください」
「……それすら譲っちまったら、いよいよ終わりだろ」

 せめて、俺が彼女たちに関わる前の段階くらいまでには関係を修復してやりたいのに。絶対に無理だとは分かっていても、俺が手を出せば出すほど拗れていくって知っていても、それだけはなんとかしたいのに。
以下略 AAS



377:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:51:09.47 ID:YuPhG13q0
「俺の命で手打ちにできないか……?」
「さっきは嫌がっていたのに?」
「それで済むなら安いような気がしてきた……」

 卑劣な逃げだが、俺が差し出せるものなんてそれくらいしか残っていない。我ながら何言ってんだよと思うけど。
以下略 AAS



378:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:51:44.31 ID:YuPhG13q0
「今のあなたの命にそこまでの値打ちはありませんよ」
「さらっと手厳しいこと言うな」
「捧げるならせめて、もう少し価値を高めてからでしょう」
「偉人にでもなれば釣り合うか……」
「さすがにそこまでは要求しませんが」
以下略 AAS



379:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 20:52:10.26 ID:YuPhG13q0
「なすべきことをなしてください。そこまでいってようやく話が始められます」」
「なすべきこと、ねえ。お前がそれでいいって言うなら、仕事は最後までやり遂げるけど」
「当たり前です。私が言っているのは、それ以後のことなのですから」
「以後?」
「はい。その後のこと」
以下略 AAS



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