中野五月「あいまいでぃすたんす」
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396:名無しNIPPER[saga]
2019/04/05(金) 21:03:32.18 ID:YuPhG13q0
「……しちゃいましたね、家出」
「午前のうちには帰ってやれよ」
「それは……みんなの態度次第です」
「きっとしばらく、家庭内の王様はお前になるから」
「王様というと?」
「一番風呂に入れたり、おかずが一品増えたりする」
「ずいぶん質素な国ですね」
「十分豪勢だろ。それ以上に何が欲しいんだよ」
「……ねえ、上杉君」
「なに」
「無反応は切ないです」
「……どこに反応しろと」
「分かっているくせに」
「だってお前、あんだけ嫌いだって言ってたろ」
「嫌いですよ」
「じゃあ、なんで」
「知りませんよ。私だって」
「その感情の機微をよりにもよって俺に理解しろと」
「乙女心は複雑なんです」
「どこにもそんな兆候なかっただろ」
「だってここ数ヵ月は、私ばっかり贔屓してたじゃないですか」
「その程度で落ちないでくれよ……昔は犬猿の仲やってたのに……」
「女の子は意外と単純なんですよぉ……」
「矛盾が早えよ……。いくらなんでもチョロすぎだって」
「だって、それ以外にも、色々……」
「色々、なんだよ」
「色々、私を思い上がらせるような態度を取ってきたあなたが悪いんじゃないですか」
「いや、そんなつもりは」
「そうですか。そうですね。えっちした子と話すのが気まずくて私の方に逃げてきただけですもんね。ホント最低。最悪。不潔」
「…………」
「否定してくださいよ」
「……事実だし」
「〜〜〜〜〜〜ッ!!」
「暴れんなよ」
「そこは嘘でも否定するところじゃないですか」
「嘘ついたら怒るだろ、お前」
「当たり前です」
「詰んでるじゃん」
「そこをなんとかしてくださいよ」
「無茶言うな。隠蔽工作に失敗した人間がどうなるかを進行形で体験してるのが俺だぞ」
「もう今より状況が悪くなることもないでしょう」
「って言うかなんだよ。さっき俺に復活のチャンスを与えたのは結局惚れた弱みからかよ」
「そうでもなければとっくに縁を切ってますよ」
「そこはもっと公正な判断をだな」
「あなただって、一人に決めないで好き放題やってるじゃないですか」
「ぐ……」
「そんな人が、公正なんて言葉を使わないでください」
「でも、それだと弱みに付け込んだみたいで気分が良くないだろ」
「弱みを作ったあなたの勝ちですね。おめでとうございます」
「投げやりじゃねーか……」
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