【モバマス】 和久井留美「富士そばには人生がある」
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28:1[sage saga]
2019/02/22(金) 13:19:49.94 ID:+K0KOsmIO

(ああ、そうだ――)


 皇居の外濠……。日中はランナーが絶え間なく行き交うこの場所も、今はただぼんやりとした街灯が滔々(とうとう)と続くのみで、溜池の水面は水鏡となって摩天楼の幻想を映している。



 強く手を振って あの日の背中に サヨナラを告げる現在地
 動き出すコンパス さあ行こうか ロストマン



(私が辿ってきた道のり――私が残してきた足跡)


 気付けば、こんなにもある……。
 何もないと思っていた、この私に。


(そうか、『コロッケうどん』の意味は……)


 一見するとニッチなメニューに見えるそれも、実はコアなファンが存在して。様々な楽しみ方があって、可能性があって……。
 そして、そばではなくうどん――ツウな一品として今や広く知られたコロッケそばと、そばに比べればまだ知名度の低いコロッケうどん。
 裏を返せば「これから流行る」という可能性も秘めていて――そして、それを必要としている人もいる。


(つまりは……)


 例え今の私に華々しい魅力がなかったとしても、私には様々な居場所がある――そして、それぞれの居場所で輝ける可能性があって。
その様々な場所でベストを尽くせば、やがて煌びやかなステージに立つことができるかもしれない。


(そうか――答えはもう出ていたのね)


 私はここにいていいんだ。私には居場所があるんだ。


「私は、私のままでいいんだ……」


 外濠に沿ってずっと歩き、やがて皇居外苑へ。東京駅を通過して、大手町の駅に辿り着く。


「皮肉にも、この街へ来てしまったわね」


 高層ビルの街、そこで迷子になっていたあの頃……。二度と来るものかと思っていた街。
 でも今は帰る場所があって、目指す場所もある。
 このビル街で迷子になっていた私――いつかの私と、今の私がリンクする。


「あなたは、あなたのために生きていいのよ」




 ここが出発点 踏み出す足は いつだって始めの一歩







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