【ガルパン】西住みほ「私がマカロンが好きな理由」
↓ 1- 覧 板 20
1: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 18:05:25.53 ID:funSUXR60
昔から『好きな食べ物は何か』と問われると、『特に無し』か
その場で思い付いた適当な食べ物を挙げることが多かった。
でも、実は愛してやまない本当に好きな食べ物がある。ちょっと
口に出すのが恥ずかしくてなかなか人に言えないだけだ。
それは『お姉ちゃんの作ったカレー』だ。
2: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 18:19:49.86 ID:funSUXR60
私の姉は家事が全然出来ない。戦車の腕前は並ぶ者のない天才なのだが、その他が
全くダメなのだ(こう言ったら沙織さんに「それを言ったらみぽりんだって相当な
ものだよ」と言われた。ちょっと納得がいかない)。
母もかつては似たようなものだったらしい。父の言うことには、「あれでも大分
3: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 18:30:11.73 ID:funSUXR60
小さい頃から戦車に関しては姉や母には敵わないと思って、せめてそれ以外の
ところで役に立ちたいと考えて父や菊代さんに頼んで料理や家事を教えてもらった。
おかげで大洗で一人暮らしを始めた際には大変役に立った(ちなみに父はとても
料理が上手い。学生時代の母はとても父の世話になったようで、「異性のハートを
掴むにはまず胃袋を掴め」という沙織さんの教えは正しいようだ)。
4: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 18:40:12.75 ID:funSUXR60
でも、姉もカレーだけは上手に作れる。『好きこそものの上手なれ』という諺が
あるが、あれだけはお金をとってお客さんに出せるレベルだ。その他のことが全然
ダメなので余計に際立って見える。
彼女はよく訓練の後や合宿の折などに、私や戦車道の仲間たちにカレーを作っては
5: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 19:07:27.48 ID:funSUXR60
あれは確か私が15歳の頃だ、黒森峰女学園の学園艦が熊本に長期入港することになり、
私と姉はしばらくの間、実家から学校に通っていた。
ある日、私はちょっとした失敗をしてしまい、帰宅したのはとっぷりと夜も更けた頃
だった。
6: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 19:20:03.79 ID:funSUXR60
姉の部屋の開いたドアから、カレーの香ばしい香りが漂ってきた。
私が帰ると連絡してから、あの短時間でどうやって作ったのかと思った
が、これは姉が時間や設備のない時に作ってくれる『さっと一手間カレー』
だった。
7: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 19:24:31.39 ID:funSUXR60
だが、その時姉が作ってくれたカレーはいつもと違う点が二つあった。
一つは付け合わせが何も付いていなかったこと。
もう一つは普段よりだいぶ辛かったことだ。
8: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 19:39:11.79 ID:funSUXR60
彼女がカレーを作ってくれる時は福神漬けなどの付け合わせが欠かせない。
幼い頃、カレーの付け合わせは福神漬けがいいからっきょうがいいかで口論に
なり、掴み合いの喧嘩に発展こともあった。その時は、時間なくて用意できなかった
のだと思った。
9: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 19:47:12.97 ID:funSUXR60
「お姉ちゃん、これ、いつもより辛くない?」
「ああ、これに合わせてあるからな」
彼女が取り出したのは皿一杯に盛られたマカロンだった。
10: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 20:33:19.92 ID:funSUXR60
「カレーを一口食べてからこれを食べてみて」
姉に差し出されたマカロンを一口かじってみると辛味がすぅっと退いて、
その上で甘さがカレーのおいしさを引き立ててくる。
11: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 20:49:11.27 ID:funSUXR60
二人でカレーとマカロンを食べながら笑いあっていたら、失敗して落ち込んだこと
なんて忘れてしまっていた。心の底から彼女に感謝していた。
あれから、いろいろな事があった。
12: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 20:52:33.16 ID:funSUXR60
あれ以来、私は『好きな食べ物は何か』という問いに対し、マカロンと
答えることにしている。
「お姉ちゃんの作ったちょっと辛目のカレーに添えて」というのは相変らず秘密だが。
13: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:01:45.93 ID:funSUXR60
短くなったのでおまけ
『秘められた過去です!』
14: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:07:40.70 ID:funSUXR60
まほ「いや、済んだことだから気にしないでくれ。しかし、みほは本当にいい友達が出来たなあ、
転校したばかりの頃は、黒森峰以外の所でやっていけるのか、もう心配で心配で…」
沙織「あはは…」
15: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:11:58.83 ID:funSUXR60
華「荒れてたって…、もしかしてグレてたってことですか?」
まほ「ああ、かなりな」
優花里「に…西住殿に限ってそんな…」
16: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:16:57.68 ID:funSUXR60
まほ「まず、男遊びが大好きだったんだ」
一同「えええええっ!!」
まほ「それも、男性を泣かせるようなことばっかりしていて…」
17: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:21:31.26 ID:funSUXR60
〜まほの脳内回想〜
みほ(6歳)「ライダーっキぃぃぃック!」
近所の男児「うわああん!みほちゃんが蹴ったぁぁ!」
18: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:24:04.56 ID:funSUXR60
まほ「それに、あの歳で酒癖がすごく悪くて…」
沙織「えええっ!?」
華「確かに、九州の人って酒豪が多いってイメージがありますが…」
19: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:29:10.30 ID:funSUXR60
〜まほの脳内回想〜
みほ(10歳)「てやんでえバーロー!なにが戦車だ鬼ババア!」
しほ「ちょ、ちょっと、なんの騒ぎ?」
20: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:31:19.51 ID:funSUXR60
まほ「挙句の果てには警察のお世話になる有り様で…」
麻子「うひゃあ…」
優花里「まあそうなるでしょうね…」
21: ◆fAZN3Fdeic[sage saga]
2019/03/14(木) 21:37:35.68 ID:funSUXR60
〜まほの脳内回想〜
警官「あー君、こんな時間にこんなとこで何してるのかね」
みほ(15歳)「あ…あの…、ここ、どこでしょうか…。迷っちゃって…」
26Res/10.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20