R-18 安価とコンマでダンジョンタワー攻略 Part2
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塔の主
◆VfcsCSY7us
[saga]
2020/05/14(木) 11:37:29.92 ID:BxhWevcB0
サラサラサラ…
宙を舞う灰が、少しづつ集まっていく。
それはやがて、小さな塊となって、次第に何かの形を成していく。
「うっ…うう…」
灰が集まってできたソレはバロン・ミシェルの頭部であった。
(な…なんとか…ここまで…さいせい、できたか…)
だが力の殆どを失った彼にとっては、そこまでの再生が精一杯であった。
(負けた、な…人間ごときに、負けた。やはり俺は…できそこないの吸血鬼だ)
心身共にズタボロの状態で自分を卑下するミシェル。
彼は吸血鬼としてトップクラスの戦闘力を誇る存在であった。
だが未熟な精神ゆえにいともたやすく相手の策にはまり、勝てるはずの戦いにも勝てず、常に舐められっぱなしの評価を受け続けてきた。
自信を失い打ちひしがれ、世の中をさすらう彼はやがて運命的な出会いを果たすことになる。
「―なら、僕を参謀役にでもしてみないか?」
「どんな支配者だって、たいていは参謀役がいるものさ。気持ちを支えたり、励ましたり…褒めたり…自信を与えたり、ね」
「僕は堂々と言ってみせるよ。バロン・ミシェルの評価は不当なものだと。闇の世界で覇権を握るに足る存在であると」
初めて出会った、自分を評価してくれる者。
彼がいてくれたからこそ、自分はここまで来た。
鮮血蟲毒儀式を他の吸血鬼の前でぶち上げ、宣戦を布告した。
自信を失っていたあの頃の自分にはできなかったことだ。
(ああ…そうだ、彼がいてくれるなら、きっと)
きっとまた自分を励ましてくれるはずだ。
「…シェル。ミシェル」
ああ、聞こえる、あの声が。
君ならやれる、君ならできると。
「…ミシェル!聞こえるか!」
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