【安価】垣根「誰だよお前」バードウェイ「至って普通の魔術師だよ」
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8: ◆IXrZKp1Pk.[saga]
2019/03/20(水) 23:46:03.54 ID:bOaN8juQ0
しかし、垣根は初めて負けた。

 そしてそのたった一度の敗北は致命的であり、垣根帝督という人間の人生を終わらせるには余りにも十分すぎた。

(…こういう時、死が怖いだのよく言うやつがいるが、なんも感じねぇな)

 死を間近にして、垣根は恐怖を感じなかった。そもそも彼の恐怖という感情が壊れているのかもしれないし、暗部に墜ちた時にはこういう未来を想定はしていたのかもしれない。
 
 学園都市の科学技術の発展は著しい。外の世界の技術発展の倍の速度で、世界が変わっている。

 そんな世界で過ごしたからこそ、垣根はいつしか未元物質を越える兵器が出てくるのではないのか、と考えたことがあった。

 ありえない話ではない。

 この都市での旧型ウイルスは、外ではサイバーテロを起こしかねないものだ。

 だからこそ、そんな結末をなんとなく想像してはいた。

(だが、まさか同じ能力者に負けるとは思ってもなかったんだが……)

 錯綜する記憶をふりかえり、改めて自分がろくなやつじゃないと気づく。

(…もし、)

(もう一度、やり直せるとしたら……)

 人生に、もしもはない。

 だからこそ、こんな願いはバカらしいものだ。

 しかし、彼のなかで煮えたぎるなんとも言えない感情がそう促させた。

 だが彼は平穏を望むのでもなく、生存を望むのでもなく、他の誰かが聞いたら笑うような、そんな酔狂染みたことを薄れいく意識の中で、考えた。

 
──あの第一位に勝ちたいと、彼はそう願ったのだ。









 そんな願いが届いたのか、はたまた偶然か。

 通りがかった少女が一人。


「随分と酷い怪我だ。まるで聖人と戦ったみたいじゃないか」


 悪人に救いの手が伸ばされた。

 この出逢いが彼の運命、ひいては科学サイドを大きく変えることになる。



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