【安価】モノクマ「ドロドロした修羅場が見たいかー!」【短編集】
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◆1SKn6znVT2
[saga]
2019/05/03(金) 12:52:35.71 ID:2L0Kjiev0
だが、どこかで安心してしまった俺も居る。振られるだろうし、どの程度の罰を与えられるかも分からないが、これ以上隠さずに済むのは救いと言えた。
日向「っ、すまな……」
ソニア「知っています」
謝罪を遮られた俺は目を見開いて黙り込む。聞いたことのない声色の所為でもある。見たこともないほど冷え切った目の所為でもある。だが、何よりも冷静極まりない彼女の態度に驚いた。既にばれていた?直観を裏付ける様に、掲げたソニアの手がスムーズに電子生徒手帳を操作し、動画の再生ボタンを押す。
そして、始まるのは獣のような性交。淫らな顔で喘ぐ辺古山の痴態であった。だが、場所は浜辺ではなく森。――――――三日前の浮気現場だった。
画質が良いのは辺古山同様、左右田に改造してもらったのだろう。
再び、ソニアの指が違うファイルを開く。流れてくるのは俺の声。俺がソニアの動画を消したか尋ねた時の会話だった。
ソニア「ある日の夜、辺古山さんは私達の逢引を撮影。その数日後に日向さんを脅迫。要求は金銭ではなく日向さんご自身の身体」
的確に当てられ、二人して息を飲む。一体、何時から知られていた?
ソニア「恐らくは王女であるわたくしの痴態が広まればどうなるかとでも言ったのでしょうね。ですが、これで形勢は逆転。終里さんには既に協力を取り付けています。この島から脱出しても、貴女は動画を流出させることも出来ず、生徒手帳を破壊されるでしょう。もしも万が一、貴女が動画を拡散したとしても、わたくしも容赦なく貴女の痴態を広めます」
台詞を練ってきていたのだろう。平時のずれた日本語が嘘のように言葉が繋がっていく。だが、妙だ。
ソニア「これでも一国の王女です。本気でわたくしを手玉にとれると思っていましたか――――――この泥棒猫」
ソニアは俺の方を向いていない。責めているのは辺古山だけ。最初の言葉以外、俺の方は責めていない。そういえば、先ほど見せられた動画にも俺の顔は映っていなかった。
日向「ソニ、ア?」
声をかけると彼女はこちらを向いた。先ほどまでとは打って変わった満面の笑み。
それを見て何となく気付いた。ここに至ってもソニアは俺と別れたくないのだと。
ソニア「ご安心ください、創さん。あなたは脅されただけなのだと判っています」
日向「いや、それは違……」
ソニア「わたくしと別れたいなどと言ったのは、その女に脅されたからなのでしょう!?わたくしの為を思ってその女を抱いていたのでしょう!?」
辺古山「っ!?」
否定の声は怒鳴り声にかき消された。伝えていなかった辺古山の驚いた視線を感じるが、俺は急変したソニアから目を離せない。
一国の王女が肩を震わせ、俺の顔を睨んでいた。月明かりだけでは分かりにくかったが、よく見れば目尻には涙がたまっていた。
俺が罪悪感に耐えきれずに別れを切り出した時と同じ顔だ。あの時と同じように俺の言葉を聞き入れる気はないのだろう。
日向「辺古山はもう動画を消している。俺に言われるまでもなく辺古山自身の手で消していた。あの会話を聞いていたならお前だって知っているはずだ」
ソニア「…………だから何ですか。それはわたくしとの別れ話をした後の話でしょう。それに、わたくしに浮気行為をばらされるかもしれないと怯えていたのでしょう」
論調がおかしくなってきていた。動画がすでに消えていると判っていたのなら、さっきの話は何だったのか。というより、こういう会話になること自体、彼女の想定外だったのだろう。憤るソニアの顔が少し青ざめていた。
辺古山だけを悪者にして責め立てれば、俺もそれに便乗してくれる。自分は悪くなどないのだと明言すれば、呆気なく俺と辺古山の関係は終わる。−−――――たとえ、俺の心が浮気相手に奪われていたとしても。
日向「それは確かにそうだ。ソニアにばれたら、嫌われると思っていたから隠していた」
ソニア「そうでしょう!?安心してください!その女と別れさえしてくれれば、わたくしは無かったことにしてあげますからっ!」
ソニアにとっても都合がいいセリフだったのだろう。機を逃すまいと喰いついてきた。
その必死な顔を見ているだけで胸が潰れそうになる。あの時からこれまでこんな苦しい思いをさせてきたのだろう。自分の事しか頭になかった俺に殺意が湧いてくる。だけど、それでも言わなければならない。
日向「――――――だけど、今日は俺の方から誘った。俺がしたいと誘ってしまったんだ」
ソニアの顔が絶望に染まる。青い目から溜まっていた涙があふれ出す。
隣を見れば、辺古山が此方を見ていた。赤い瞳を見開いて呆然とした顔で俺の顔を見つめていた。彼女を愛おしいと感じていたのは何時からだろうか。
ソニア「わたくしを捨て、る気ですか?」
泣きながら聞いてくる恋人に、――――――俺は自分の気持ちを隠すことなくはっきりと伝えた。
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