【安価】モノクマ「ドロドロした修羅場が見たいかー!」【短編集】
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8: ◆1SKn6znVT2[saga]
2019/04/29(月) 12:13:35.52 ID:Ca2JadPq0
春川「なにやってんの!?」

怒鳴られた体がビクリと跳ね上がる。先ほどまでの興奮が嘘のよう。弾ける様に顔を向ければ、入り口には僕の幼馴染が居た。走りでもしたのか、汗をかいている。肩を怒らせ、犬のようにこちらを睨んでいる。

最原「魔、魔姫?」

思わず名前を呟いたら、上に乗った体がぴくりと反応した。名前呼びの所為だと気付けたのは随分と後になってからだった。と、ずっしりとしたおっぱいの感触がなくなっていく。見上げれば赤松さんが立ち上がっていた。顔を見たら、ぞくりと背筋が震えた。赤松さんは笑っていた。それだけなのに何故か怖い。目の奥が笑っていないせいか。

赤松「なにしてようが、春川さんには関係ないと思うんだけど」

春川「……はぁ?」

対する魔姫は冷え切った表情。こちらもとてつもなく怖い。向かい合う二人の間で静電気染みた火花が散ったように見えたのは果たして錯覚なのだろうか。

春川「人の幼馴染襲っといて言う事がそれ?」

赤松「恋人でもない幼馴染さんに言う必要もないって言ってるんだけど?」

赤松さんの反応が気に入らなかったのか、魔姫はつかつかとこちらに歩いてくる。赤松さんも赤松さんで逃げようとせずに待ち構えていた。まずい。喧嘩になる。

最原「魔姫!落ち着い、んむっ!?」

慌てて立ち上がり、二人の間に入り込むが、頭を掴まれて言葉をなくす。抱き寄せられた先にあったのは魔姫の顔。目を閉じてもいない。密着したのは唇と唇。

最原「んんんんんんんんんんんんんっ!!?」

本日二回目のキスに驚く間もなく、舌が滑り込んできた。まるで捕食。もがこうとする僕の舌に苦も無く絡みつき、生き物のように滑らかな動きで蹂躙し始める。

赤松「なっ!?」

クラスメートの声がひどく遠い。気持ち良さはさっきと同じくらいだが、感触も体温も動きも明らかに違っていて、別種の生き物としか思えない。ねちっこく舌に絡みつき、じゅぽじゅぽと水音を立てながら唾液を搾り取っていく。ここは自分の縄張りだと、先ほどまでこびりついていた唾液を薄める様に舐め上げてくる。顎先を伝う唾液の生暖かさが妙に気持ちいい。息苦しさでさえも同じだ。鼻から無理やり酸素を取り込めば、魔姫の匂いが脳を蕩かす。

知らなかった。色んな意味で上手い。ぼおっとし始めた頭を動かし、見つめてみると魔姫の目も蕩けていた。視界には他の何も入らない。いつも見て来たはずなのに全然見たことのない貌だ。舌を動かそうと思ったのが自分の意志によるものだったかも自信が持てない。

春川「ぷはっ………っ…………ははっ。そんなに、気持ち良かったんだ」

顔が遠ざかったことに気付いたのは魔姫が自分の口周りをぺろりと舐め上げてからだった。それで僕達の顔を繋いでいた唾液の橋がぷっつりと切れた。顎先に掛かった唾液が誰のモノかよくわからない。自分がどんな表情をしているかよくわからない。

春川「女の子みたい」

最原「っ!!?」

くすりと微笑まれて、ボンっと顔が茹で上がる。セリフに反応したのか、妖艶に笑う幼馴染の女としての顔に反応したのかよくわからない。分からないことだらけな状況が分からなくて混乱する。

赤松「……………へえ。春川さんって意外に手馴れてるんだね」

ただ、そんな興奮も一瞬でかき消えた。特に悪いこともしてないはずなのに叱られたように感じるのは錯覚か。ブリキのように首を回せば、赤松さんが魔姫を見ていた。微笑んでいるはずなのに睨みつけているように思うのは気の所為ではないのだろう。

春川「……………そういうそっちこそ随分と手が早いよね」

魔姫も魔姫で笑っていた。喧嘩を売られた時はいつも不機嫌そうに顔を歪めているのに何故か笑っていた。でも、いつもよりも怖い。待て。喧嘩を売られた?喧嘩って何?

春川「改めて言うよ。終一は私のモノなんだから単なるクラスメートは手を出さないでくれない?」

赤松「こっちのセリフだよ。最原君は私が貰うんだから、ただの幼馴染さんは引っ込んでてよ」

二人とも相手のことを見つめていた。二人とも唇から顎先までべっとりと濡れている。どっちも原因は僕にある。
僕の唾液で濡れた向かい合う二つの唇が同時に動いた。

春川・赤松「「私とのキスの方が気持ち良かったみたいだけど?」」

ごくり。

思わず飲み込んだ唾液がどちらのモノだったのか僕自身にだって分からない。


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