3: ◆3jMo9iZPSE[sage saga]
2019/09/19(木) 22:32:55.16 ID:RSNyvt7K0
薄い茂みの奥で、かくれんぼのヘタクソな子供のようにじっと身を屈めているそれは、科学的用語で言うところの男性器に違いなかった。
頭をかかえて、大きくため息をつく。なにかの間違いなのは間違いないんだけど、なにをどう間違えてるんだ? これは。
改めてベッドから降りてみると、また別の違和感があった。靴が大きいように感じる。それに、視点が少し低いような気がした。
化粧台の前に立って鏡を見てみる。まず目につくのは髪だった。あたしは艶やかな黒髪になっていた。
それから顔立ちも変わっている。体つきも違う。
しばらく色んな角度から鏡に映して、自分の姿を観察する。
ぱっと見ではわからないけど、よく見ると、ちゃんとあたしの面影がある。どこかのアニメ映画のように知らない男の子と中身が入れ替わっているというわけではない。
これはあたしだ。あたしが『男になっている』。それからもうひとつ、『若返っている』。
おそらくこれは、もしもあたしが男に生まれて、中学生ぐらいまですくすくと育ったらこんな感じ、という姿だ。
胸に手を当てると、ぺこんとブラジャーが潰れた。この姿でこれはないな、とTシャツを半脱ぎし、ブラを外してバッグに放り込んだ。
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