桑山千雪「毒と言うには、とても甘美で」
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20: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2019/10/09(水) 23:56:19.12 ID:uq0zJpXS0

◆◇◆

隣の暖かさが消えて、私は目を醒ましました。雨は止んで、外は真っ暗です。

キョロキョロと辺りを見回しますが、プロデューサーさんはいません。トイレでしょうか。

くぅ、とお腹が鳴りました。そういえばお昼から何も食べてません。でも……この時間だから、何も食べない方が良いでしょう。アイドルですから、体型の維持は……お腹空いたなぁ。

とりあえず、飲み物でも入れて空腹を誤魔化そうと思います。

プロデューサーさんのシャツと、自分が持ってきた替えのパンツを履いて、キッチンへ向かいました


「あ、おはよう」

「おはよう……ふふっ、ですね。おはようございます、プロデューサーさん」

冷蔵庫の薄明かりに、プロデューサーさんの顔が照らされています、スポーツドリンクのペットボトルを手にしているのが分かりました。いつもレッスンの時に飲んでいるものと同じです

「何か飲む?」

「じゃあ、ミネラルウォーターで」

カロリーのないものが良いですよね。アイドルですし。

よく冷えたミネラルウォーターのペットボトルを受け取ります。飲むと、口内の粘ついたものも一緒に食道へ流し込む感覚がしました

「……明日の朝ご飯、なんにしよ」

プロデューサーさんを見ながら、ちびちびと飲んでいきます。今日のことを思い出すと、顔が熱くなるのが分かります

プロデューサーさんが普段あまり言わないような言葉を、いくつももらって、私は心が一敗になりました。言葉を一つ一つ思い出すだけでもう、涙が出るくらい嬉しいです

「……甘いなぁ」

「? それミネラルウォーターじゃ……」

「い、いえいえ! 私の話です〜」

今度はぐいっと、一気に飲みました。

ああ、本当に、とっても甘い。

【終わり】




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