62:名無しNIPPER[saga]
2020/02/11(火) 00:53:54.17 ID:1rBQC5cv0
メリエ「冒険者の基本的な仕事は、民間、軍事問わず寄せられた依頼の遂行、未開エリアの探索やダンジョンなどの生態調査、があります」
メリエ「単独で遂行しても構いませんが、他の冒険者を雇う、同好の士と共に挑戦する、といった手段がありますので、ご一考を」
ユーリ「どこでそういう人と交渉するんですか?」
メリエ「基本は、ギルドに併設された酒場に設置されているパーティボードを利用しますね。それか、酒場で飲んで騒いで、その時に交流するとか」
つまり、人が欲しいなら酒場でアクションを起こせ、ということか。人を雇う場合の相場が分からないから、それは時間が空いた時に訊くとして。
ユーリ「…惚れちまったぜ…」
メリエ「え?」
ユーリ「貴女に、一目惚れしました」
いくら死にかけとはいえ、余所者の怪しい奴にここまで甲斐甲斐しく世話をしてくれた。
そんな人間、元の世界にはいただろうか。いや、いない(反語)。誰も、他人を気に掛ける余裕など、持っていないから。
恐怖を恋による緊張と勘違いするのが『吊り橋効果』だと聞いたことがある。この感情も、それに似たものなのかもしれない。
誰にでも与えている優しさを、救われた心が『彼女は俺に気がある』と勘違いしているだけなのかもしれない。
…でも、勘違いだとしても。一目惚れした事実は変わらないんだ。
メリエ「えぇと…。そう言ってもらえるのは嬉しいのだけれど。そういう目では見てないから…」
メリエ「ごめんなさいね…」
…だよね。そりゃ、こんなことあっさり言う奴に、良い印象なんか持たないか。
やっちゃったなぁ、俺。
メリエ「…だけど、立派な冒険者になったら。その時は、ちょっと考えてみようかなぁ…」
………。
やったぜ!!!
メリエ「さて、と。そろそろ私は仕事に戻ります。ゆっくり身体を休めてくださいね」
恭しく礼をしたメリエさんは、温和な笑みを浮かべたまま退室した。
特にやることが無いので、俺はベッドに潜り込む。
気がつくと、次の日の朝になっていた。
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