24: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/02/12(水) 21:30:54.61 ID:JEla9brPO
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「牡蠣の生産量で上位3県は?」
コナン君がうーんと腕を組んだ。
「えっと……広島県と、宮城県と……どこだっけ」
「地理を考えれば分かるわ。よく考えてみて」
「えーと……牡蠣が採れるのは波が穏やかな場所だから……瀬戸内海沿いだよね。とすると、岡山県?」
「正解!本当に、飲み込み早いわね」
コナン君が「えへへ」と頭をかいた。
「お姉ちゃんの教え方が上手いからだよ。ありがと、お姉ちゃん」
「誉められるようなことは、何もしてないわ。教え始めて1ヶ月経つけど、もう今すぐに開明受かるんじゃない?」
「そんなことはないよ。まだまだ頑張らなくっちゃ!」
屈託なく笑うコナン君に、私は微笑んだ。最初は生意気な所があるなと思った彼だけど、実際に教え始めると思いの外素直でいい子だった。
それに、とても飲み込みが早い。覚えがいいというより、論理的思考能力が抜群なのだ。
「で、最近お母さん見ないけど……どうしてるの?」
「えっと……弟の新一の面倒で忙しいみたい。あと1ヶ月は、僕に構ってられないって」
「……そう」
なるほど、1万円という破格の家庭教師代は、一種の厄介払い料なのか。この子も寂しいだろうに。
……まあ、過干渉よりはいいのかな。
私は溜め息を付いた。
チリンチリン
音がした方向を見ると……また、佳代ちゃんがいた。
「あ、しずくちゃんにコナン君!!」
「佳代ちゃん!?また来たの?」
えへへ、と佳代ちゃんが笑う。
「だって、ここのケーキ美味しいんだもん。しずくちゃんのお兄ちゃん、相当のスゴ腕なんだねえ」
「あ、いや……お兄ちゃんは、ただの従業員の一人だから……」
「それでも凄いよ!あんなに美味しいケーキを作れるんだもん。
今日は弟の誕生日だからさ、ママにここで買ってこいって言われたんだ。
あ、コナン君もこんにちは!勉強頑張ってる?」
「うんっ!!しずくお姉ちゃん、教えるのすごい上手なんだよ!」
うんうんと佳代ちゃんが何故か自慢げに頷く。
「だよね、何せ東大に毎年30人を送り込む我が女子学園高校のトップだもん。
全国模試でも上位だし、親友ながら鼻が高いよ」
「そうなの?すごいなあ。……って、しずくお姉ちゃんのお兄ちゃんって、ここで働いてるんだったね」
「う、うん。一応、ね」
そこはあまり触れてほしくない話題だ。私とお兄ちゃんの関係は、そっとしておいてほしいのだ。
佳代ちゃんが不思議そうな顔をした。
「一応?」
「ああうん、こっちの話。じゃあコナン君、勉強に戻ろ?」
佳代ちゃんは首を捻りながらショーウィンドウに向かった。
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