お兄ちゃん、一緒にバカになろ?
1- 20
46: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/02/14(金) 21:36:52.19 ID:VEAIvzGwO
#

「プティ・アンジュ」は相変わらずの賑わいだ。バレンタインが近いというのもあるかもしれない。

佳代ちゃんも、お兄ちゃんにチョコを渡すのだろうか。2人の仲が進展しているとは思えないけど、万一そうならやはり彼女を消さないといけない。

でも、今はコナン君が優先だ。

店に入ると、既にコナン君が準備していた。そこに向かおうとすると、香苗さんに呼び止められる。

「しずくちゃん、ちょっと」

「え?」

香苗さんは厳しい顔で、私を裏口へと連れていく。

「あなたのお兄ちゃん──雄太君。最近家ではどうなの?」

「最近って……いつも通りですけど。帰りが遅いくらいで。忙しいんですよね?」

「何時ぐらいに帰ってる?」

「えっ……11時過ぎとか……昨日は日付が変わる手前に」

「……そっか……」

香苗さんが下を向いた。

「雄太君ね、最近ミスが激増してるの。1年前に病気になって、ちょっと……後遺症でぼんやりするようになってたけど、元が優秀なパティシエだったから十分戦力になってた。
だからうちでも使い続けてたんだけど……あの調子だと、もう限界。首は避けられない」


ガシャン


「磯崎ぃ!!何やってんだバカが!!!」

何かを落とす音と、香苗さんの旦那さんの怒号が聞こえた。香苗さんが、申し訳なさそうに私を見る。

「しずくちゃんも、ずっと心配だったから毎週来てくれたんだろうけど……ごめんね。
雄太君が帰る時の足取りがおかしい時点で、すぐに連絡すべきだった。多分、帰るのもやっとだったんだと思う。
病気の後遺症が酷くなってるんだと思うわ。少なくとも、具合が良くなるまで休んでもらおうかって」

「そ、そんな……!!ケーキ作りは兄の生き甲斐……」

「……でも、仕方ないのよ。『プティ・アンジュ』は都内でも屈指の人気店。看板を汚すわけには、いかないの」


私は、その場に崩れ落ちた。


まさか、いや、そんな……。でも、説明がついてしまう。


お兄ちゃんのバカは、もうちゃんと歩けなくなるまで……悪化している。
私たちは「痴呆薬」を使いすぎたんだ。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
95Res/84.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice