お兄ちゃん、一緒にバカになろ?
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92: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/02/18(火) 22:25:34.34 ID:9jbONNUiO
「……どっちが良かったのだろうな」
俺はマンデリンを飲み、溜め息をついた。
そう、間違いなく「今回」の方が、2人にとってはずっと幸せだっただろう。
束の間とはいえ、2人で暮らし、2人で愛を交わせた。最期も一緒に逝けたのだから。
だが、それが「アイスキャンディ」でもたらされたとしたら……それは、受け入れがたい事実でもある。
「……分からない」
苦虫を噛み潰した顔で、藤原が答える。想いは、俺と同じようだった。
「だが、これしか思い付かなかったんだ。磯崎しずくは、ただ磯崎雄太と一緒に生きたかっただけだ。
もう全てが手遅れだった以上、これしか手がなかった」
「そうか。……2人が『そういう関係』だったことは、知ってる奴はいるのか」
「いや。無断欠席に気付いた担任が家を訪問した時、2人は『服を着たまま』寄り添うように倒れてたからね。
『特葬係』の連中も、そう証言している。彼らがやったのは、散らかった部屋の整理と、ドラム缶の搬出だけだ」
「友人は」
「……南口佳代は、気付いてたかもね。結局、あれから『プティ・アンジュ』には来なかったし。
だが、それは彼女の胸のうちに永久に仕舞われたままだと思う」
「……そうか」
俺は一気にマンデリンを飲み干し、立ち上がった。
「もう行くのかい」
「ああ。とりあえず用件は済んだ。兵さん、藤原のメンタルケアは頼みました」
「俺に押し付けるなよ、仁」
兵さんが苦笑する。俺は振り返った。
「この借りは、お菓子で返しますよ。表参道の『プティ・アンジュ』で。
それと……磯崎兄妹のお墓。この近くらしいです」
「だそうだ、湖南」
藤原が「フフッ」と笑った。
「お供え物は、決まりですね」
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