183: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/11(土) 21:34:26.27 ID:S2+rdedU0
家の近くで、私は車を停めた。
「ちょっと待っていてくれ」
運転手に断ると車を降り、近くの自販機まで歩いた。
小銭を入れ、購入したのは、最初に出会った時に買い与えたオレンジジュースであった。
「…まあ、最初はこんなもので良いか」
車に戻ると、再び走り出した。
…
玄関の前で、深呼吸。ドアを開けると、呼びかけた。
「ただいま」
「おかえりなさい、あなた!」
すぐに妻が奥から顔を出した。彼女は廊下の向こうに引っ込んだまま、後ろに向かって何か言った。
やがて、彼女の背後から、一人の少女がおずおずと姿を現した。
「!」
「やあ」
少女は私の姿を認めると、はっと目を見開いた。
「どう…して」
「寂しそうにしている君を、見ていられなかったんだよ」
「朱音ちゃん。今日からこの人が、あなたの新しいお父さんよ」
私は靴を脱いで上がると、彼女に歩み寄った。
先程買った缶ジュースを差し出す。
「…ただいま。良い子にしてたかい」
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