235: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/14(火) 20:41:45.61 ID:d6sCZoyo0
「ここに、地球があるだろう。この、地球上には大陸が6つあってだね…」
「大陸って、島と違うの…?」
「あー、確か、オーストラリアより小さいのが島という扱いだったかな…」
息子が小さい頃に使っていた地球儀を引っ張り出して、食卓に置く。
「まずは、大陸の名前を覚えれば良いんだ。一番大きい、北の方にあるのがユーラシア大陸で…」
地球儀をくるくる回しながら、一つ一つ名前を読み上げていく。ちらりと目を遣ると、朱音は必死にノートに名前を書き写していた。
…
「そう言えば、もうすぐ家庭訪問があるそうですよ」
朱音が部屋に上がった後で、ふと妻が言った。
「来週の、確か水曜日だったかしら」
「私もいた方が良いかな」
「いいえ、そこまでしなくても良いわ。あたしがお話しますので。…でも、一度は先生にご挨拶した方が良いかも知れないわね。苗字も変わることですし」
「そうだな。折を見て、アポイントを取ることにしよう」
珈琲を置き思い出して言う。
「…そうだ。明日は少し飲んで帰る」
「あら、どうしたの」
「児童相談所の所長さんへの、少しばかりのお礼と思ってね。彼には無理を言ったから」
「そうでしたか」
妻は息を吐いた。
「あたしからもよろしくお伝えしておいてくださいね。……でも、なるだけ早く帰ってきてくださいね」
「分かってるよ」
私は立ち上がった。そろそろ、寝るとしよう。
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