241: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/15(水) 21:22:30.12 ID:/pjjLOdG0
寿司桶とぬる燗を挟んで向かい合った、とある高級寿司店の奥の座敷。私と、例の児童相談所の所長だ。
「この前は無茶を言って悪かった」
「いえ、良いんですよ…」
顔色の悪い所長は、ぼそぼそと応える。
「先生の頼みとなれば…警察の人の助けも得やすいですし」
「人手がいるのかね」
「ええ…言ってみれば、相手は傷害犯なわけですし…」
「…朱音の親は、実際のところどうだったのだね」
「あー…一応、引き取った方が子供の以前の環境について詮索するのは、御法度でして…もちろん、逆も駄目なんですけど…」
ハンカチで額を拭う。それから彼は、既に醤油の塗られた寿司を、更に醤油に浸して口に入れた。
「…」
私は口をつぐんだ。酒を一口、飲み込む。昔吸っていた煙草は、息子たちに言われて止めた。酒も、このような機会に少し嗜む程度だ。嫌いではないが、特に好きでもない。
「…他の職員にも、菓子折りを用意してある。施設に郵送していいかな」
「あっ、ありがとうございます…いただきます…」
縮こまる彼を見て、私は心の中で鼻を鳴らした。慇懃無礼を絵に描いたような男だ。そういう性質なのか、或いは彼なりの処世術なのかも知れない。
とは言え、彼の助けは今後も必要になるかも知れない。邪険に扱うべきでは無いだろう。気付かれないように腕時計を一瞥すると、私は一つだけ、話題を頭に浮かべた。
安価下1〜3でコンマ最大 話す内容、質問など。無ければ無いで
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