335: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/19(日) 19:36:12.37 ID:Kh3sFDp50
事件が起きたのは、金曜日だった。
帰ってきた私は、玄関に出迎えに来た朱音の様子がおかしいことに気付いた。面と向かって訊くのが躊躇われたため、私は日曜日に仕掛けたカメラの映像で手がかりを探すことにした。
原因は、すぐに分かった。先日買い与えた人形が無くなっていたのだ。毎日ランドセルに忍ばせているが、帰宅してからは決まって棚の上に置かれていた。それが今は、影も形もない。
落としたのか、壊してしまったのか。夕食の席で、何気ない風に
「そう言えば、この前買ってあげた人形は大事にしてるかな」
と尋ねた私は、ぎょっとした。
その質問を聞いた瞬間、朱音の肩がびくんと跳ねた。と思うや、そのまま声を上げて大泣きし始めたからだ。
「ど、どうした、どうしたんだ」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
泣きながら何度も謝る朱音。私は彼女の隣に行き、妻と背中を擦りながら理由を聞いた。
「どうした、何があったんだ」
「…とられた」
「盗られた? 人形が?」
頷く朱音。妻の顔がにわかに険しくなった。
「…誰に」
「同じクラスの…八島さん…」
「!」
私ははっとなった。例のファイルに書かれていた、深夜徘徊の少女。その中にあった名前の一つだ。
「どうして盗ったんだろう?」
「気持ち悪い…子供っぽいって…」
「…」
私は、妻を見た。
「昨日、家庭訪問があったんだったな。先生は何か言っていたか」
「いえ…そんなこと、少しも」
「そうか…」
私は溜め息を吐いた。
人形なら買い直せばいい。だが、それでは根本的な解決にならないだろう。どうも、朱音がいじめのターゲットにされたフシがある。このままでは、学校生活もままならない。
___何より、私が許せない。
安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
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