498: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/25(土) 19:38:59.73 ID:gqiDT3E+0
国道を、一台の乗用車が走る。目的地は、先日行ったデパート。
ハンドルを握りながら、私は横目に朱音を見た。彼女は何とも言えない顔で、そわそわと身体を揺らしている。
「…学校はどうだった?」
「うん…」
彼女は小さく相槌を打つと、やがてぽつりと言った。
「…八島さん、あれから一度も学校に来なかった」
「そうなのかい」
私は驚いたふりをした。
「どこに行ったんだろね」
「警察に捕まったって噂になってるけど、嘘だと思う」
「どうして?」
「だって、まだ10歳だから…捕まらないもん」
「そうだね。…」
赤信号で停車する。私は、また別の話題を切り出した。
「結局、人形は返してもらってないのかい」
「うん…」
「それは嫌だね。取り返そう」
「でも…学校に玩具を持ってきたのは、悪いことだし…」
「それでも、取られっぱなしじゃ泥棒と一緒だ。…朱音は、もう学校に人形は持っていかなくて良いのかい」
「…うん」
少し躊躇ってから、彼女は頷いた。
「じゃあ、そう言おう。もう持ってこないから、わたしのものだから返してくださいって。…私も手伝うから」
「うん…」
…
デパートの玩具売り場に着いた。朱音は遠慮がちに、人形のコーナーへ歩いて行った。
安価下1〜3でコンマ最大 人形のデザイン 採用コンマが偶数で遠慮して何も買わない
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