650: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/05/03(日) 11:05:11.51 ID:TFS+9flZ0
その日、会議などの合間に私は、外務省の知り合いに電話を掛けていた。
「向こう…3ヶ月くらいで、イタリアからの入国者に老夫婦と女児の3人組がいるか調べてもらえないか」
返ってきた結果によると、該当のグループは3組。その中で、老夫婦が東洋系、女児が西洋人のものは1組だけだった。
密かにパスポートの写しを見せてもらうと、確かに例の夫婦とリュイアだ。それによると夫婦はそれぞれ『志藤 敬三』『志藤 暁子』『Luigia Sido』となっている。前2人はともかく、リュイアのは偽名だろう。
そこまで分かれば、後はウチの管轄だ。組織犯罪対策部と捜査四課で調べてもらうと、例の夫婦が南イタリアで飲食店を営んでおり、マフィアのトラメスロ・ファミリーと懇意にしていたことが分かった。
「つまり、あの夫婦は猪狩組の人間ではない…?」
確かに、あの2人はリュイアの親と面識があると言っていた。加えて、猪狩組とは元々繋がりは薄いか、そもそも無かったようだ。元々あの次男坊には、義理も恩義も無いのかも知れない。
「だとしたら…」
あのアパートからリュイアと共に抜け出そうと言えば、協力してくれそうだ。方法はいくらでもある。リュイアのパスポートは十中八九偽造品なので、不法入国の罪でしょっぴいてしまえばいい。そこから表向きは強制送還としつつ、実際は別荘に移す…とか。
いずれにせよ、もう少しあの夫婦とは話をしておいたほうが良さそうだ。
…
思い立ったが吉日。その日もすぐには帰らずに、例のアパートに来ていた。
「いらっしゃませ。リュイアは奥におりますよ」
「ええ。…後で、少しお話を」
すると夫の方が、無表情に私を見つめた。
「…坊っちゃんは、いつでも俺たちを殺せるそうですよ」
「その『坊っちゃん』が幅を利かせていられるのも、今の内ですよ」
それだけ言い残すと、私は奥の部屋に入った。
天蓋付きベッドのカーテンを捲ると、相変わらずネグリジェ姿のリュイアが、私を待っていた。
「Zio、また来た、ね」
「ああ。…遊ぼうか」
安価下1〜5 どうする?
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