686: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/05/04(月) 16:07:36.29 ID:plgmMOgH0
愉しむなら、話が早い方が良い。生憎私には、あまり時間がないのだから。
そう考えて、選んだのは神崎比奈。親に売られて児童ポルノに出演していた、今は13歳の少女だ。経歴が経歴だけに、彼女は経験豊富だ。求めれば、応じてくれるだろう。
ただ、少し前に親と業者が逮捕されたため、彼女は今、都内某所の療養施設で暮らしている。精神を病んでいるそうだ。
さて、彼女と接触するに当たっては、大きく2通りの方法がある。1つは、あくまで善良な警察官僚として、犯罪被害者を見舞うという名目で接触すること。もう一つは、始めから『消費者』として会うこと。恐らく彼女と業者のコネクションは既に途絶えているので、後者は難しいが…
…
ある平日の昼下がり。職場に近いファミリーレストランに、彼女は一人の女性職員と共にやって来た。
「やあ。突然呼び出して、済まなかった」
「…こんにちは」
すらりとした色白の少女が、神崎比奈だ。黒い髪を切り揃えて、後ろは1つに括っている。どことなく朱音に似た雰囲気を感じるが、彼女の目は虚ろだった。
「お疲れ様です。先生がご用と聞いて、驚きました」
「ああ。…今度の会議に向けて、少し『生』の声を聞いておきたくてね」
『生』という単語に、比奈の肩が小さく跳ねた。
「比奈ちゃん、安心して。この人は、警察の偉い人よ」
「…」
おずおずと頷く比奈。私は、レコーダーをテーブルに置いた。
「食べながら話そうか。何でも注文していい。どうせ経費で落ちるから」
そう言いながら、私はレコーダーを動かし始めた。
インタビューが始まる。内容は、施設の暮らしや内部で行われている行事、精神医療の内容など。比奈はあくまで入所者の一人という立場で話をしてもらった。
「ありがとう。有意義な話を聞けて良かった」
「それは何よりです」
レコーダーを止める。
「また、お願いすることがあるかも。神崎さんも」
「…」
私は、比奈の方をちらりと見た。比奈は相変わらず虚ろな目で、半分以上残っているスパゲッティの皿を、ぼんやりと眺めていた。
安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
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