828: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/05/05(火) 20:24:02.65 ID:Yiu9zhL/0
「ここは…これ!」
「残念だったね」
明香は見事に私の手札から、ババを引き当てた。
「あっ、あっ、やだっ、朱音ちゃん…」
「えっと…」
朱音は明香の手札から一枚取って、それから自分の手札と一緒に捨てた。
「あっ、あ〜…」
今は朱音と明香と、ババ抜きの最中だ。先程から、明香は一々反応が分かりやすい。彼女の少し後ろからは、家政婦が微笑ましく見守っている。
ゲームの最中、家の固定電話が鳴った。家政婦が走って、受話器を取る。
「もしもし? …はい、はい…はい、少々お待ち下さい」
受話器を妻に渡す。耳に当てて、彼女の顔が強張った。
「…ええ。分かりました」
「…」
朱音の手札を吟味しながら、密かに妻の方を窺う。恐らく、相手は例の探偵だ。報告をしているのか、報告の段取りを付けているのか…
果たして数分後、妻は慌ただしく外出の支度をし始めた。
「ごめんなさい。知り合いが急に、あたしに用があるって」
「お母さん…?」
私は努めて平静に言った。
「そうか。気を付けて行ってきなさい。…今日中には帰れるよね?」
「ええ」
タクシーを呼ぶ妻。家政婦が、立ち上がって言った。
「奥様も出られますし、私達もここで失礼しますね。…明香、帰るわよ」
「はーい。朱音ちゃん、またねー!」
…
妻も家政婦一家も、出て行ってしまった。家には、私と朱音の2人きり。どうしたものか。夕食もまだだし…
安価下1〜3でコンマ最大 夜の行動
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